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マーケティングも撮影も現段階では同じ

Lovegraphのインターンをはじめて、もう2ヶ月になる。
ジョインしてからすぐは、とにかく必死で、社員のみなさんが何を話しているのか、みなさんが何をしているのかという文脈を理解しようとしていた。

一応マーケティングの部署で働くことは決まっていたので、たぶんマーケティングの話をしているだろうなということはわかっていたけれど、僕自身専門的にマーケティングについて実践したり、勉強することは全くなかった。いわゆる「未経験からマーケター」というやつだった。胸を張れるレベルで未経験だった。もちろん今でもマーケター見習いの見習いとして活動している。

当然、僕が学ばなければならないのはそれだけでもないので、社内の文化であったり、ルールであったり、環境の変化に体を慣らしていくのもあって、最初はアドレナリンドバドバでなんとか頑張っていけた(といっても、何か具体的に成し遂げたことがあるわけでもないので、あまり堂々とはしないでおく)。

あれから2ヶ月が経って、ある程度の業務を任せられるほどにはなり(今でもわからないことは山のようにあるし、社員のみなさんをはじめとしたみなさんに助けられてばかりであるけれど…)、その中で自分のことや仕事そのものについて考える余裕も少しづつ出来始めてはいた。

「どういうマーケターになりたいか?」
「ここで学んだことがこのあとどういう意味を持つようになるか?」

みたいなことを考えていた折に、たまたまLovegraphの依頼が僕に入った。
実に4ヶ月ぶり(その間、予定や僕の体調を鑑みて、この状態でゲストに最高の撮影体験を届けることはできない、と勝手に判断したため、依頼が入らないようにしていた)に依頼が入ったので、その時は明らかに興奮していたし、撮影はまだなのに、ゲストと撮影のイメージのすり合わせ等のやりとりをしている時点で、すでに楽しいと思えている自分がいることに気づいた。

もちろん、日々の業務の中で、どうしたら撮影依頼が増えるのか考えることも楽しいし、それに至るまでの顧客の行動を分析したり、データを抽出したりする作業も、今までの僕が全くやっていなかった領域での話なので、毎日新鮮で日々勉強させていただいている。

しかしその一方で、今まで僕が撮影していたゲストとのやりとりの段階で、何か違う視点で撮影を捉えていることを自分は感じていた。
それは悪い意味ということではなく、今まではゲストに喜んでくれるためにはどうしたらいいだろう、という視点だけだったのだけれど、それに合わさるように、「ゲストが喜ぶことってそもそもなんだろう?」「ゲストが不安に感じていること、ゲストにとって嫌なこと、面倒なことはなんだろう?」というような問題提起の量が明らかに増えているのである。

一見すると、僕はひとつのサービス内でマーケティングという需要側の業務と、サービスを届ける供給側としての業務の両方を行っているので、業務の比重的に視点がそっち寄りに変わったのかな?と思っていた。

でも実際のところはむしろ「どちらの業務も、考えている基本的な部分はほとんど同じなのではないか」ということを示しているのかもしれない、とも思った。

マーケティングの本質も、撮影の本質も、まだまだ全くわかっていない人間なので、解像度や捉えている深さでいうとやはり「未経験」だなという感じかもしれないけれど、それに気づけた時はなんとなくうれしかったというか、「これがつながってきたか」という何かジワジワとくるサウナに入った時の汗のような、そういう気持ちよさがあった。

マーケティングで目指すところは、より多くの人に商品を届ける、届く仕組みを作ることで、数値やデータを分析していく仕事というイメージがあった。今もたぶんある。

一方サービスを実際に届けているカメラマン側の目指すところは「どうしたら商品を満足して使っていただけるか」という、撮影でいうと写真を喜んでもらえる、撮影体験自体を楽しんでもらえる、というところを重視しているイメージがある。

これらは、ミクロレベルで業務を見ていくと、やはり行う部分は全然違うけれど、結局遥か上空からそれらを見たら、やっていることや考えていることは似ているんじゃないかなと思えた。

例えば、「寒い日の撮影で、ゲストのためにカイロを用意してお渡しする」というホスピタリティは「ゲストがその寒さのせいで元気がなくなってしまったり、撮影体験とその寒いマイナスな経験が結びつかないようにする」ためでもあって、これはよくよく考えれば「ゲストが困っていることをこっち側で解消させていく、サービスである撮影を、心の底から安心して受け取れるように導線を設計する」作業とほぼ同じだと思えた。
もちろんマーケティングだけではなく、デザインも、プロダクトをつくることも、それ以外の他の業務も全てそこに収束していくなという、たぶん当たり前のことにようやく気づいた。

「ゲストが何に困っているのか」
「ゲストが喜ぶ、求めていることの正体は何か」

という視点から、何もかもが生まれていくんじゃないかな、と現段階では思っている。全てを一回で語るのは不可能だし、たぶんその切り出し方だとうまくいかないから、この思考をこの結論で終わらせるのはいささか不毛ともいえる。

だから、また2ヶ月後にこれについて考えたいと思う。それまでにはもっと撮影ができるといいな、なんて思ってもいる。
サービスを届けることをする仕事、届けるために行うことをする仕事、そのどちらをも経験できるというのは、なんともぜいたくなことかもしれない。

2020年1月11日
オチのないショートショート.

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原田 透
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