あきらめずに相談しようね
同じような立場になれば、怖れで固まらずに、行動してほしいナと思って今日は固い内容ですが、記しておきます。
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Cさんは19歳で、年上の男性と結婚。
子供を3人産んだ。
でも長男が大学生の時
夫から逃げるように次男、三男を連れて家を出た。
長男は、お母さんを”逃すため”、父親のもとにとどまる決心をした。
長男は有名国立大を出てお医者さんになり、
次男、三男も独立。
みんなお母さんのことが大事で、大好き。
夫は元々不安定な性質をもっていたのだろうが最初はわからなかった。
結婚生活では
雄弁で支配的な夫を、
なんとか怒らせないように、すべてに従う優しい妻になった。ご機嫌を、毎日とった。
結婚はつらい現実だった。
夫に従わない時や、彼の基準に合わないことをした時は、
Cちゃんは、何時間でも説教された。
体への暴力はなかったけれど、心理的に追い詰められ、
神経疲労がひどくなっていき、
”いったい、私は、なにをどうしたいんだろう?
どんな生き方をしたいんだろう?”と、
自分の気持ちさえまったくわからなくなって
鬱になっていった。
ある日、もう、だめもとで
思いきって
「離婚したい・・」と言うと
「じゃあ、俺は自殺するから」
と夫は言った。涙も見せた。
「あるいは、慰謝料をお前の親に要求するからな。もう弁護士はいる」とも言った。
「離婚すれば死なせてしまう」
という罪悪感と恐怖に震え、動揺し、
逃げるように別居しても
今日まで離婚を切り出せていない。
怖いので住所は隠している。
「私も知らぬ間にもう50だけど、幸せな結婚を一度でもしてみたいな。もしできるならば・・」
と、涙をこぼした。優しいし、顔立ちもとっても可愛らしい。次の結婚を望めば、きっと、彼女には幸せが待っているのではないかな?
「子供たちは、この状況については、なんて言ってるん?」
「三人とも、
もうお母さん自由になりなよ。離婚を応援するから・・って言ってくれるんやけど」
「じゃあ、もう、あとはその泥沼から出る決心をCちゃんがしたらいいだけやん。
子供が応援してくれているなら強いよ。
決心しない? 私もできること応援するから」
「そうなんよね、わかってる、決心だけよね。
でも・・どんな仕返しをされるやろう?・・って、あとのことを考えたら、もう厄介すぎて、面倒すぎて。ていうか・・自由はあきらめて、生きてもいいかって、そうやってずるずる、何年もずーっと堂々巡りしてるねんな。 泥沼に腰まで浸かってるのはよくわかってるんやけど・・」
私は、Cちゃんに、勇気をもって、まずは公共の無料弁護士サービスに相談に行くように勧めた。
恐怖でがんじがらめになって、もう前に進む気力も削がれてしまった人に
「しかたないね」なんて
そんなことは決して言えない。
「この世には法律がある。だから、こっちも法律に守ってもらおう。
自分の大事な一回きりの人生だよ。諦めたらあかんよ。人生変えようね」
悲しいことに、
「結婚してくれないなら今日首をつって死ぬ」と言われて結婚してしまって後悔している・・とか・・
「共通の友人や知人すべてにお前がどんなにひどいヤツか話す!」と言われて、別れを踏みとどまったとか・・
「線路に飛び込む」「手首を切る」と大騒ぎされた・・などなど。
もうキリがないくらい、激情的な泣き落としをされたという話はちょくちょく聞く。
しかし、別れたいと言われて、
「それなら死ぬ」と言うのは、
”もしも自分がその発言をするなら、どんな気持ちで?”・・・と、考えてみたらわかるが、
それは、相手をコントロールするための最終的な、超強力な爆弾だ。
冷静に考えたら、口にしてはならない言葉。
厳しいけれど、それは個人的な激情の吐露によるコントロール。
倫理的に間違っていない?
他者を操作する手段でしかない。
私は、そう思う。
稚拙すぎる。
だから、もし、そんなことを言われたら、
むしろ冷静にならなければ。
「その発言は、操作だから、やめてほしい」と静かに告げるのが懸命だと思う。
相手の反応がどうあれ、とにかくバタバタしないで冷静に対処すること。
これまでも社会では自制ができてきた人なら、
こちらが冷静なら、やがて正気を取り戻すはずだ。
それと、一対一だけの時に離婚話(別れ話)はしないで、
第三者が目撃できる場所でするのが良いと言われている。
場所も自宅でなく、喫茶店、レストランなど他者の視線があるところが望ましい。
理由は、激しい理不尽な言動は、人がいたらできないからだ。
人生を諦める前に、できることはたくさんある。
1)友達、親、あるいは信頼できる親族に相談し、いざというときの力になってもらう。(家に乗り込む等、激情的な挑発がある場合。あるいは慰謝料請求された場合。)
2)専門家に相談する。
公共の相談窓口、無料の弁護士相談は、各市町村にある。
(普通の話し合いでは、太刀打ちできない手段に相手が出てくる時)
今日これを書いたのは
私は、このような問題で女性から相談を受けることが多い。
そして、ほぼ、みなさん、平常心を失い恐怖でがんじがらめになって、鬱々生きているからだ。
でも、男性がこの立場(=支配されて身動きが取れない状態)の場合も、実際には、けっこうあるかもしれない。
男女問わず、
もしこんな状況になったとしたら、
どうか、ひとりで考え込まないでね。
相談したらいいんです。
冷静に俯瞰できる立場の人に。
あなたの敵(相手)はおそらく、
「コイツは脅しておいたら、一人で考え込んで、けっきょく言うことを聞く」と、
あなたの性格の傾向をよく知っている。
その上で、あなたを上手に支配しているだけ。
「もう、うまく操られたりしない!」とあなた自身が決心し、冷静な対処が必要。
長期戦になっても、残りの人生の方が大事だから。
それに
もし慰謝料で済むならば、
借金してでも払ったらいいと私は思う。
それで自由に生きられる権利を取り戻せるなら、
割り切ってもいいではないか。
ただ、その前にもちろん、
「慰謝料を自分が払うべきものかどうか?」を、
とにかく”相談”しよう。
大丈夫。
冷静になりましょう。
冷静さを欠く時が、思わぬワナに足をとられるときだから。
第三者に、まず相談しようね。