家族について考えさせられるとても有意義な映画『最初の晩餐』

2019年公開映画180本中51位。

これはいい映画でした。
父親の死をきっかけに家族が集まり、
料理を主軸に故人との思い出に更ける、
家族について改めて考えさせられる作品です。

予告編のときはそこまで面白くないかなって思ってたんだけど、
予想以上に惹き込まれる内容で、これはぜひ観て欲しい。

シナリオの教科書のような題材と人間模様がよくて、
まるで雲ひとつない晴れた朝に温かい味噌汁を飲んで、
五臓六腑に染み渡るような安心感と清々しさがあった。

回想シーンが全体の6割ぐらいで、
みんなで父親(永瀬正敏)との思い出を振り返る形で、
この家族のありようが明るみなっていくというもの。

家庭環境はちょっと複雑で、
永瀬正敏と斉藤由貴がお互いの連れ子を含めて
新しい家族を築いたという背景があり、
最初はギクシャクしていたものの、
だんだん仲良くなっていくオーソドックスな流れではある。

なんだけど、所々で事件、、、ってほどじゃないけど、
そういうこともあり、それがいいタイミングで起こるから、
淡々と思い出話だけに終始することなく、
想像以上にスクリーンに釘付けになった。

しかも、それらが起こった理由が
「あのときは言えなかったんだけど」って、
今になってわかったりするんだよね。
そんなの言われなきゃわからないよって。

でも、そう考えると“家族”って意外と知らないことあるよなって思った。
もし自分が拾われた子だったりさ、
両親が略奪愛によって結ばれたカップルだったりさ、
そんな経緯があったとしても、言われなきゃわからない。

家族という血の繋がった関係だからといって、
すべてを知っているわけじゃないよね。
そう考えると、他人と何が違うのかって話よ。
広い意味で考えれば、自分以外はすべて他人だから、
そんなの血が繋がっていようがいまいが関係ない。
単に血を分けた、同じ場所に暮らすコミュニティってだけ。

別に家族というものを卑下しているわけではなく。
見方を変えれば、そういうことだよねってだけ。

何かと家族を特別視したり、
家族って何でも知ってるよねっていう暗黙の了解みたいなのはあるけど、
実際、他人とそんなに変わらなかったり、
むしろ他人以上に知らないこともあったりするから、
改めて「家族とは」というのを考えさせられる映画でした。

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