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キラキラ青春って美男美女の専売特許で凡人からしたらファンタジーやSFの類だよねと思った『胸が鳴るのは君のせい』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:104/121
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ラブコメ
学園モノ
青春
ジャニーズ

【あらすじ】

高校1年の3学期に転校してきた有馬隼人(浮所飛貴)は、イケメンなのに愛想がなく、ちょっと怖い。クラスメイトの篠原つかさ(白石聖)は、そんな有馬が気になり、いつしか目で追うようになっていた。

高校2年生最後の日。友達から「両想いじゃない?」とはやし立てられたつかさは、ずっと抱いてきた有馬への想いを伝えるも、「そういう目で見たことない」ときっぱりフラれてしまう。

新学期。有馬と同じクラスになったつかさは、変わらず友達として優しくしてくれる彼に、好きな気持ちがますます加速。

ところが、同じクラスになったイケメンの長谷部泰広(板垣瑞生)から、いとこが有馬の元カノだと知らされ大ショック。モヤモヤした気持ちでオリエンテーションキャンプに向かうものの、たまたま同じ場所に来ていた元カノ(原菜乃華)に遭遇し、隼人とヨリを戻す手伝いをして欲しいとお願いされてしまう。

さらに、長谷部はそんなつかさに特別な感情を抱くように。

それぞれの想いが複雑に絡み合う中、つかさの一途な片想いの行方は……。

【感想】

一時期より少なくなりましたよね、こういう高校生キラキラ青春純愛映画。観に来るお客さんって、基本的にはキャストのファンの子が多いから、若い女性が多く、おじさんひとりで観に行くと、肩身狭いんですけど(笑)

<キラキラ青春のおとぎ話感>

この映画は90年代のトレンディドラマ並みの恋愛至上主義です。学園モノの映画やドラマを観ると、「自分にもこういう青春あったのかなー」なんて過去を振り返ったりしますが、まあないですよね、普通は。ファンタジーやSFの世界なんですよ、こんなキラッキラした青春。美男美女にしか訪れない、国民の99%は体験しないおとぎ話。だからこそ、いい意味でツッコミどころも多いんですけど(笑)

<とにかくシンプルかつオーソドックス>

他の同ジャンルの映画と比べて何か違いがあるかと言うと、そういうわけではないんですけど、本作はストーリーやキャラクター共に、ラブコメの教科書かってぐらいシンプルかつオーソドックスです。面白いぐらいに次の展開が読めてしまうわかりやすさは、むしろ好感度高いですね。

元気なヒロイン、転校してきたクールなイケメン、「姫」ってあだ名がつきそうなぐらいお嬢様感あるライバル、ヒロインにちょっかいを出すチャライケメン、クラスに必ずいるお笑い担当。

そんな彼らが、キャンプや夏祭り、文化祭と、これまた学園モノの定番イベントの中で、気持ちのすれ違いや三角関係などを通じて、キャッキャウフフしていくのは微笑ましいですよ。

<ツッコミたくなるぐらいのありえなさ>

原作漫画は読んでいないんですけど、映画版はとにかくツッコミたくなる要素が多いです。「寝言は寝てから言え」って言いたくなるぐらいのセリフと、イケメンしか許されない行動のオンパレード。逆に笑っちゃいますよ、ありえなさすぎて(笑)

例えば、キャンプ場の炊事場のシーン。洗い物の最中につかさがシュシュを落として濡らしちゃって。で、髪が垂れてきて邪魔になるんですが、隼人が後ろから髪をサラッてまとめ上げて「持っててやるから早く洗っちゃいな」って。いやいや、後ろにずっといられて、しかも髪持たれてたら落ち着かなくない?!と思ったのは僕だけでしょうか。普通の人がやったら、その場で顔面に北斗百裂拳ぶちかまされても文句は言えませんねぇ。

他にも、女子たちが男子の部屋に突入して、夜な夜な人生ゲームを楽しんでいるシーンがあるんですが、先生が「早く寝ろ!」って来た瞬間に、みんなで布団に隠れるんですよ。そのとき、つかさが他の男子の布団の中に誘われそうになるものの、そこで隼人が腕をグイっと引っ張って、自分の布団の中に入れます。「あんな名前もわからないような男の布団に入るなよ」って。ファンにはたまらないんでしょうが、おじさんからしたら「そんな決めセリフ、イケメンにしか許されねーぞ!」って心の中で叫んでました(笑)

<ライバルのキャラの存在感>

メインは美男美女の集まりなんですが、その中でも隼人の元カノだった麻友を僕は推したいです。彼女、お嬢様学校に通ってるだけあって、もうパッと見でなんかふわふわしていているんですよ。たまたま彼女の学校も同じキャンプ場にいたことで隼人と再会するんですが、つかさたちが海に行く計画を立てているところ、「ヨリを戻したいから、あたしも誘ってー?」といけしゃあしゃあと言うんですよ。この図太さすごくないですか?ドアウェーですよ?空気を読まない感じにイラつきを感じつつ、欲しいものは何としてでも手に入れんとする我の強さに感心もしました。

<ラブコメ≒バトルモノ>

こういうラブコメって、主人公に明確な目的があって、それを邪魔するライバルがいるから、対立構造を描きやすいし、最後も成就という形でハッピーエンドにしやすいですよね。そういう点において、バトルモノに非常に近いものがあるんじゃないかと思います。あれも主人公がいて、敵がいて、そいつを倒すっていう構図なので。

でも、日本のラブコメっていまだにキスを最強必殺技というか、神格化しすぎている気がするんですよね。そこが最終地点だし、何なら別の人にキスされたりすると、この世の終わりみたいな絶望感に陥ったりしているので。アメリカのラブコメだったら、酒にハッパにファックにと、キスどころじゃねーぞって思いますが(笑)

<その他>

今回、主人公を演じた浮所飛貴クンって、平野紫耀クンと声似てないですか?目つむると、「あれ、なんか聞いたことある声だな」ってメッチャ思いましたもん。今後、ジャニーズとして推していきたい人物なのかはわかりませんが、久しぶりに観ると、こういう量産型高校生キラキラ青春純愛映画も、まあ悪くないかもなって思います。


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