人生の一コマ 第20話
私が 夫と共に生きた期間は9年と7ヶ月だ。
もっと一緒に人生を生きてみたかった。
しかし 運命はそれを許さなかった。
夫の両親にしてみれば運命は 我が子をこの世から連れ去った。
運命は夫の両親の次男をも この世から連れ去ったと風の便りで聞いた。
一体全体 運命とはどうやって作られているのだろうか。
私はお百度参りの時、夫の両親との険悪な状態を改善する方法を教えて
欲しいと神さまに伝えた。
その時 神さまは 微笑んで 「安心してなさい」と言われていると感じた。
しかし 夫が他界することで夫の両親から解放されるとは
驚きと言う言葉で表現するしか言葉が見つからない。
子供達から見たら父親を喪った事になる。
何故 喪う事が最善だったのだろうか。
私は神様に教えて欲しいと投げかけた。
神からの答えはこうだ
人は皆、自分の人生の台本を生きている。
さまざまな人が絶妙に絡み 台本にリアルさをかもしださせる。
夫の両親からの位置でみれば、人生も後半になり 謙虚さや思いやりなど を
人生に取り入れる時期になっていたが、どんどん傲慢になって来たので
君達を離したのだ。
だから 僕たちは君達を守っている。
君は夫を亡くしてから、沢山の事を思い出した。
波動について、次元について、魂について、思考について、
これら全ては肉体を維持する為に欠かせない事であると。
君はさまざまな体験を通して思い出しただろう。
君が生きる設計図を描き続ける事でこの瞬間にそれが現れている。
その設計図を運命と読んでもいいかもしれない。
ちなみに 君の子供達は生まれた瞬間、自分の人生の全容を君にテレパシーを
使って届けているね。
今だから涙を流さずに書いているが、この会話をした当時は泣けた。
ここで、私が守られていると感じた体験を思い出したので書いてみる。
子供が中学生の時である。
夕飯も済み 子供達は布団に入る時間だ。
私は洗濯を済ませ もう一度台所に立った。
綺麗に拭いた調理台の上に小さく折りたたんだ白い紙を見つけた。
今までこんな事はなかった。
何だろうと思い 広げてみた。
そこには鉛筆で
「学校で虐められている、親に言ったらもっと虐めると言われている。」と
書いてあった。
私は青ざめた。
この子を起こして話を聴こうか悩んだ。
しかし、直に話そうと思えば沢山時間はあった、 そうしなかったのは
今日は話すのが辛いからなんだと解釈した。
どうしようか 悩んだ。
何か方法を考え出そうとしても何も思い浮かばない。
こうなると 私の口癖になっている。
お父さん(夫)どうしたらいいか教えて。
神さまどうしたらいいか教えて。と
言い続ける。
何もいい案が思い浮かばないまま
2時を過ぎ いつに間にか私は寝てしまった。
ここからは 夢の話だ。
私がいて、学校の先生がいる、いじめ役の親子もいる。
同じストーリーの夢を何度も見ているのを
眠りながら気づいている私がいる。
夢を見ている私を見ている私がいるのだ。
夢の中のストーリーが 眠ってしまう前に解決方法を探していた、
答えだと気付き 私は夢の内容を覚えようとした。
全部覚えるまで夢は何度も繰り返された。
覚えたと夢の中で思った瞬間、目が覚めた。
目を開けた時 何が起きたのかと思ったが。
その時の朝の状況が夢の中と同じなので驚いた。
私は 夢の中で覚えたように振舞う事にした。
子供は朝食をしっかり食べた 私は 安心した。
子供達はそれぞれ登校した。
時計にふと目をやった。
8時05分過ぎだ。
これはまさしく夢と同じ場面だ。
夢のストーリーだと 私は学校に電話をする事になっている。
電話の前に座った。
一瞬 ためらったが 今からする事を信じようと心を決めてた。
何回目のコールで誰が出るか夢では決まっていた。
電話がつながった。
夢と同じ声だった。
聞こえてくる言葉も同じである。
私も夢で覚えた言葉を言う。
夢と同じに話は進んだ。
そして 担任の先生と話すことができた、
その時の内容も夢の中のセリフと同じである。
その日の夜。
夢と同じ時間にいじめた子が父親と一緒に我が家を訪れた。
私たちは夢と同じ言葉をかわしあっていた。
いじめ役の子は父親の後ろで頭をうなだれていた。
最後にその子は父親に促され我が子に謝り
我が子もその子からの謝罪を受け入れた。
その後も何も起きる事はなく
いじめ問題は解決した。
不思議な体験です。