いつか来る地震の前に「これやっておこう!」リスト
1995年1月17日朝5時46分発生「阪神・淡路大震災」
記憶が薄れている方や物心つく前の方もいると思いますので、最初に「阪神・淡路大震災」の概要を紹介します。
震源は淡路島北部の深さ16km(浅い地震と言われます)。地震のエネルギー(規模)を示すマグニチュードは7.3(気象庁により2001年にマグニチュード7.2から改訂)。気象庁の事後現地調査により、設定後初めて震度7を適用した地震です。この地震の後(1996年以降)、震度5および震度6をそれぞれ弱・強の2階級に分割して震度が発表されるようになりました。陸のプレート中にある「断層」を起因とする「直下型地震」について、改めて注目されました。
この地震による死者は6,434名(2006年消防庁確定)。うち7割が兵庫県神戸市の住民で、神戸市や兵庫県医師会の調べではそのうち7~8割の死因が建物倒壊による圧死または窒息死でした。朝早い方が朝食・弁当作りなど活動を開始するような発生時間であったこともあり、多くの火災も引き起こされました。
地震のメカニズムや、地震に付随する災害(津波、土砂災害、長周期振動)など話したいことはたくさんあるのですが、自分と家族の命を守るために重要なことにトピックを絞って話します。
★いちばん大事★最初の揺れから身を守る!
これだけは心がけると、地震の揺れと、強い揺れで引き起こされる家具等の転倒から身を守れると思います。
● ベッドの周りに物を置かない!
● ベットの脇にスリッパを置いておく
● 万が一の時、人の大声は届かない。ホイッスルを携帯。
起きている時は、とっさの安全行動を迅速に取れますが、寝てしまっている時間帯は、瞬時に動くことができません。強い揺れの中では、家がシェイクされたかのように物が飛んできます。せめてベッド周りだけは家具を置かない(どうしてもの場合は家具を固定する)ことを心がけてほしいです。
就寝時は素足の方が多いと思います。地震の揺れが収まった後、床に何が落ちているか分かりません。スリッパを近くに置いておきましょう。
万が一閉じ込められたとき(ドアが歪んで出れないことも想定されます)のために、スマホのストラップとしても付けられる、ホイッスルを準備しておくとよいと思います。(以下のような物を想定していました。紹介します)
インフラ確保:命に直結、一番大事な「水」
揺れが止まったらまずチェックしてほしいことは、「水道は出ている?」ということです。
水がまだ出る状況でしたら(トイレなど生活用水確保のために)まずお風呂に水を張りましょう。※小さなお子さんの居る家ではくれぐれも水の事故に注意して下さい。
停電した場合、マンションでは給水も止まり、特に高層階では水汲みが切実になります。水汲みポリタンクもあればよいですが、2リットルサイズのペットボトル6本の入っていた持ち手のある段ボール(丈夫です)にポリ袋を二重にして入れたら運べます。
「停電」の影響は大きい
オール電化の家庭でも、ちょっとした工夫で電力依存度100%を避けましょう。緊急連絡先はスマホだけに集約せずに、アナログの手書きメモをしておきましょう。
1)停電は通信にも影響を与える
・大地震の時ほど、安否を尋ねるメールや電話の着信でみるみる充電が減ります。日常はモバイルバッテリーを持ち歩かない人でも、モバイルバッテリーの用意をしておくと助かります。
(以下参考として、サイズ感とスマホ充電の電気容量、そして残量確認がランプで簡単に分かるので選んだ「Anker」のモバイルバッテリーを紹介します)
自家用車がある場合は、車から充電できる場合もあります。(ガソリンはギリギリまで給油しないではなくて、常に半分以上入れておいた方がよいと思います)
但し停電が数時間継続すると、携帯の電波も届かなくなります。以下を事前に家族でやっておくといざという時に焦らなくていいと思います。
・災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を家族で決めておく。
・公衆電話用の10円玉・100円玉・テレホンカード1枚を入れておく。
(災害時はNTTにより公衆電話から無料で電話できるときも多いです)
2)あかりの重要さ
・懐中電灯やポケットラジオなどいざという時に、単3・単4電池の使用頻度が高いです。
・手回し充電式のラジオは長時間使用すると手が疲れ、電力も弱いので災害時には使いづらかったです。電池で動くラジオを準備しておいた方がよいと感じました。
・停電時は子供が不安を示すことが多いです。以下のような簡単なあかりがあるだけで心が落ち着きました。
無印良品のLED持ち運びできるあかりは通常はコンセントにつないでいて、停電した瞬間にあかりが点き、持ち手をドアノブにかけることが出来て便利です。(少しお値段張ります)
IKEAのラムスタは安いので数個買ってあちこちに置いておくと安心です。
IKEAは電池も安いので一緒に買って保管しておくとよいと思います。
3)いざという時「ガス」が助けてくれた
・停電時も、ガスが供給されていると、明るいうちは調理ができました。お湯を沸かすだけでもインスタントラーメンやレトルトカレー、インスタントスープなど食のバリエーションが増えます。
・カセットガスのガスコンロやストーブがあると調理や暖房の助けになります。くれぐれも換気(二酸化炭素・一酸化炭素中毒)や火事にはご注意下さい。
いくつかの地震を経験して感じた盲点
・停電した場合、レジでは「現金」しか使えません。(銀行ATMも使えません)
・子供はパサつきがちで味が独特な非常食を食べませんでした。(インスタントラーメンを喜びました)
・普段は食べていなくても、子供も大人も非常に疲れて甘いもの(ジュース・菓子パン)が欲しくなります。災害時はコンビニやドラッグストアでも品切れしていますので、以下のようなお菓子缶などで少しストックしておくとよいと思います。
・停電時は冷蔵庫/冷凍庫のドアを開けると、庫内温度が上がり食材がどんどん痛むので、開けると決めたドア1つ以外は開けないと決めた方がいいです。(冷凍庫に大きな保冷剤を入れておくと冷やされて助かります)
私はいわゆる防災リュック(銀色の大きな物)は持っていません。それぞれの家庭で必要なものを詰めておく袋を準備しておくのがいいと思います。可能ならば、避難所持参用の軽い袋(リュックが両手が空くのでいいと思います)と、自宅に帰り必要なものを足すための大きな袋の2つに分けておくとよいと思います。
地震災害に関してはまだまだ伝えたいことがありますが、ひとまずここまで、物にフォーカスしてお伝えしました。