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クリープハイプのトリビュートアルバムがカスな件について

 散歩に行く。八月の明朝。大通りを征く。都会特有の気怠い外気の中、出来立ての太陽がぎこちなく町へ降っている。ゴミ袋を突く血まみれのカラス。皮の剥がれたエナメル鞄を持つ学生の群れ。取り込み忘れた洗濯物のあるベランダ。坂道の先にある下手な落書きみたいな形の入道雲。そんなもの達に太陽がぎこちなく降っている。  それはなんだか気まずい光景だった。知らない人にいきなり手を振られた時のような、そんな気まずさのある光景だった。手を振られ、段々近づいて来られて、肩を触られた時のような気まずさ

    • ミニシアター系の映画に小洒落た格好で来るカップルを許さない、あと岸田政権とウクライナ侵攻とJust the Two of us進行で完成した安いポップスも

       映画館にて。携帯の電源切り忘れてないか確認する為に、本編直前になってガサゴソ鞄から取り出して、しかも焦ってるもんだから間違ってボタン長押しして起動させちゃったりして……みたいな。物凄く無為な作業しているの僕だけじゃないですよね。あの時間が世界で一番嫌いです。次点でオシャレな格好してミニシアター系の映画観に来る奴等。「映画をファッションにするな!!!」と憤りを覚えつつ、しかしあいつ等は大体カップルで来ているので、僕は闘う前から負けている。二人は映画を観たあと、「レトロ」だと言

      • 今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな

         今からの時期に「君たちはどう生きるか」は名作です!と言い張るサブカル野郎どもを狩ることを生業にしようと思う。ああいう映画を抽象的に褒めてはならない。じゃあつまらなかったのかと聞かれると、面白い気がする。面白かった気がする。僕が感じている不満は、「シン・エヴァ」において「さようなら全てのエヴァンゲリオン」と告げられた時と似た感覚であるし、最も具体的に言えば、ネタにマジレスされている時の不快感である。  最初から感じていたのは、テーマの不在。「風立ちぬ」で創作者としての宮崎駿

        • 新春

           とうに既知ではあろうが、そう裕福でない男子大学生の大体には、元旦に吸う煙草より旨いものなど、夏至に飲むビールくらいしか思い当たらぬものである。そんなものを吸いながら浅草のガヤガヤした通りを眺めると、それを眺める我が幸福に思い当たり、同時に我が幸福の限度にも思い当たり、見つめた歩く人々の表情一つにも、人の世で経験し得る快楽の如何に脆弱であるかというのがひしと感じられて、その哀愁を肴に焼酎の味ばかり強まった白ホッピーを飲み込む。同行人達も概ねそんな調子で、しかし目はとうに据わっ

        クリープハイプのトリビュートアルバムがカスな件について

          僕のどしたんが話を聞いてしまう前に

           10月である。秋である。つまるところセンスのないコピーライターが「○○の秋!」を広告の中にしょっちゅう入れだす時期である。「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」etc…まあなんぼも浮かぶけれど、このどれらもが秋の本質をまるで突いていないのはお分かり頂けるか。  ならば、お前の言う秋はなんぞ、と問われたら、これはもうこの二十二年の歳月を以て、一つ、確信のある秋があるのだ。  「交際の秋」 これ以外に、ない。  中高大と、共学に身をやつした者ならばとっくに大納得であろう

          僕のどしたんが話を聞いてしまう前に

          それって本当に彼氏君が悪いんですか?

           実際悪いのだと思う。だが問題はその割合の話ではなかろうか。100:0で悪い彼氏君というのを、僕はまだ見たことがない。というより、人間同士の関係において、そのようなどちらかだけに傾いた責任というのを僕は知らないのだ。  それは例えば、いじめのような現象においてもそうである。よくよく「いじめられる側に原因はない」だの言い張る、ボケたコメンテーターをニュースで見るが、そんなことは決してない。些細であれ甚大であれ、原因というのが必ずあって、その拡大の末にいじめという現象があるのだ。

          それって本当に彼氏君が悪いんですか?

          俺が無職なんじゃなくて、お前らが有職過ぎるだけ

           まさしくコペルニクス的転換である。そもそも農耕技術や社会基盤が未成熟だった、十九世紀以前ならば仕方がないことかもしれないが、それらが発達した今現在、人間が働く必要がどこにあるのだろう。人々は産業革命時に「機械に仕事が奪われる!」と叫び、今も「AIに仕事が奪われようとしている!」と謳われているが、実際それでなんの問題があるのだ。人間が汗水垂らして渋々やっていた仕事を、彼等が変わってくれるというのなら、黙ってそれに従えばいい。僕たちが時間を使うべきなのは、もっと人間的な仕事の方

          俺が無職なんじゃなくて、お前らが有職過ぎるだけ

          ペンがあっても林檎には刺さないだろ

          ぬるいビールを飲みながら観る映画はそれなりな乙だ。よくぬるいビールなんて不味くて飲めたもんじゃないだのなんだの言うおっさんがいるが童心を忘れたのだろうか?そもそもビールとはクソ不味い飲み物である。あんなやたら苦くて高い飲み物は生物が摂取するべきものではない。ガキの頃親戚の集まりとかで知らねえおっさんに「ほれ飲んでみ」って言われて飲まされた時は最悪だった。(因みにここでいう知らねえおっさんとは親戚の中の誰かなんだけど名前が分からないおっさんとかでなく、爺ちゃんの友達のそのまた友

          ペンがあっても林檎には刺さないだろ

          全日本革命家協会の提供でお送りしています

          よく聞く言葉に。 「何もしない日を作りたくない」 曰く、予定が無い日が簡素で空虚なものに思え、多少の忙しさの中に充実を覚えるのだそうだ。(現実にはこの百倍ライトな言い回しだった気もするがそれはこの際いいだろう。)充実。(遊びの予定に対して忙しいことを充実と呼ぶの援交のことパパ活って呼ばれるくらい納得いかない。)   よくわからん。一日バイトしたら二日はなにもしたくないし。学校は週一でいい。飲み会も連日ではいらん。あるなら行って飲んでるけど、もう渋々って感じ。ケンタッキーの皮

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