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牛の人生(牛生?)を感じて選ぶレザーバッグ 〜スピリチュアルな話〜

ハワイで、レザーが有名な某ブランドのセールススタッフとして働いていた時の話だ。

アメリカ人のお客様が、レザーバッグの購入を決めた。

購入時はお客様に商品の状態をチェックしてもらうのが決まりのため、倉庫から在庫を持って来て、彼女に手渡した。

大体のお客様は、ジッパーや金具がスムーズに開け閉め出来るか、傷がないか、をチェックする。

しかし彼女は違った。

POPな曲のかかる店の真ん中で、バッグを胸に抱きしめ、瞑想を始めたのだ。


・・・・   ♪♪♪♪


・・・・   ♪♪♪♪



ス… (開眼)

「Could you give me another one?」
(違うバッグにしてちょうだい)


!???

訳の分からぬまま倉庫へ走り、別の在庫を出して来て手渡した。

すると彼女はさきほどと同じようにそれを胸に抱き、再度瞑想を開始した。



・・・・  ♪♪♪♪



・・・・  ♪♪♪♪


ス… (開眼)

「Ok, I’ll take this one.」
(いいわ、これにしましょう)



!!???

なに?なんだったの!????


謎を残したまま、とりあえずお買い上げいただいた後に、あれは一体なんの儀式だったのかを聞いてみた。

すると、それはスピリチュアルな世界だった。

彼女が言うには、
「レザーのバッグは牛の皮でできているじゃない?牛にもそれぞれ人生(牛生?)があるのよ。1個目のバッグに使われていた牛は、あまり幸福じゃない人生を送ってきたみたいね。幸の薄い牛。私が買ったバッグの牛は、良い感じの人生を送った、幸せな牛だったみたい。そんなオーラを感じたのよ。みんなは信じないけど、私には分かるの。あなたも今度試してみて。」
ということだった。

・・・・

な、なるほど…世界には、そんなレザーバッグの選び方があったのか…。

もしかして、幸の薄い牛のレザーバッグを買った日には、幸が薄くなってしまったり…

攻撃的な牛のレザーバッグを買った日には、妙に赤い物に興奮してしまったり…

私も今度、牛生を感じてみるか。

ス…(閉眼)

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