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【俳句】早梅〜碧萃生

早梅のふふむまもなくほころびぬ
碧萃


梅の木に、小さな赤い蕾がついている。
さて、俳句をやっている身としては、1句ものにしたい。
この梅の蕾、あるいは蕾そのものは季語になっていないのか。
調べてみると、「蕾」だけでは季語ではない。
では、「梅の蕾」「梅蕾」ではどうなのか。

ネットで検索してみると、「梅蕾」が季語であり、さらには「梅ふふむ」と言う季語もあるらしい。
そこで、例句を見てみようと「角川俳句大歳時記 春」を開く。
ところが、「梅蕾」も「梅ふふむ」も、ない。
もしかして、まだ花開くまえだからかと同じ歳時記の「冬」を開いてみるが、「寒梅」「早梅」はあるが、「梅蕾」も「梅ふふむ」もない。
少し古いが、講談社の「カラー図説 日本大歳時記」を、よっこらしょと開いて見ても、やはりない。

ところがネットでは、「梅蕾」も「梅ふふむ」も春の季語であると、「梅」の子季語であると紹介されている。
何故、上の歳時記に掲載されていないのかはわからない。
編者による、これは季語ではないとの判断からなのか。
それとも、単に漏れた、忘れた、だけなのか。
「梅ふふむ」なんて、俳句をやる人しか使わないだろうけど、それほど新しい言葉とも思えない。

恐らく、一般的には季語として認識はされているのであろう。
ただ、結社の句会などに投句する場合には、主宰の判断になるのかもしれない。
僕の所属する結社では、使用する季語の基準を角川歳時記に載っているものとしていて、その他は主宰の判断になる。

ちなみに「ふふむ」だけなら辞書に載っている。

〘自マ四〙 花や葉がふくらんで、まだ開かないでいる。つぼみのままである。ふくむ。

精選版日本国語大辞典

なお、「早梅」とはあくまでも早く咲く梅のことで、蕾みではない。

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