【俳句】十月〜碧 萃生
十月やガリ板刷の上手き人
今ではもう見かけなくなったガリ板刷り。
昔は、学校のテストも、回覧板も、みんなガリ板刷りでした。
大学に入って、同人誌まがいのものを作った時も、最初はガリ板刷り。
まずは、原紙に鉄筆でカリカリと現行を書き写す。
当時はボールペン原紙なる便利なものがあって、ボールペンで書くことができた。
原紙用の修正液もあった。
出来上がった原紙を謄写版にセットし、インクのついたローラーでゴロンとやると、一枚印刷できる。
それを取り出して、バタンと閉じる。
ゴロン、バタン、ゴロン、バタンを繰り返して、出来上がったものを揃える。
ホッチキスでガチャンと止めて、同人誌の完成。
校内で売り歩く。
僕は、女の子に泣きついて買ってもらうのが得意だった。
そのガリ板刷りにも、インクの付け方、ローラーの力の入れ具合で、上手下手があった。
さて、先日の鍛錬句会で、父に俳句を指導してもらったと言う人が何人かいた。
一度だけ褒めてもらったことがあるとか、聞いていると結構厳しかったようだ。
ある人は、一日に一句作りなさいと言われたとか。
そうすれば、月に三十句。
半分捨ててもまだ十五句。
そこから六句選んで投句しなさいと。
結社の会員は、毎月六句投句して四句掲載。
父が生きていたら、お前は毎日三句は作れと言うような気がする。
来月から十一句を投句するので、それくらいは作らなくては。
一日三句、三日で九句、四句捨てても五句残る。
(三百六十五歩のマーチのメロディで)
来週には、もう立冬。
まだまだ秋の季語を堪能したいが、そろそろ冬の句も考えないといけない。
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