メタバースと高齢者について
The SandboxのLANDオーナーである私は、将来自分のランドで何を行うかを考えるために、最近よくメタバースの世界で遊んでいます。
先日、マイアバターとしてケアベアを入手しました。最近はこのベアで遊んでいます。
アバターといえば、本来は自分自身の分身です。ところが、この子が可愛く走る姿を見ると分身というよりまるで子どものように感じます。健気に走る姿を見ると「可愛い💖」と思うし、私が操作を間違えてアバターを落としてしまうと「ごめん。痛かった?😭」となど言ってしまいます。最近アバターに対する考え方が変わったなと感じるところです。
ところでこのアバターは、外見を見て「この子が可愛い」と思い選んだわけではありません。私が購入した時、姿はわかりませんでした。購入して数日後に姿が判明しました。
ただ、このベアとの出会いは私にとって特別なものだったと感じるものです。私は妖怪ウォッチのUSAピョンが大好きです。このベアは、ラビットスーツを脱いだUSAピョンに色や姿がよく似ています。背中にはUSAピョンと同じジェットパックが。そして胸には音符マークがあります。なんと私は音大卒! そして可愛くハートのイヤリングもしています。まさにこのアバターは私のため選ばれてきたのかと思いました。ベアとの出会いに感動しました。
ベア友と遊ぶ私のケアベア
私のケアベアにはベア友がおり、時々メタバース内で一緒に踊っています。
ケアベアも一人で踊るより、ベア友と一緒の方が楽しそうです。ベア友と踊っている時、他のアバターさん(知らない方)が近くに来て一緒に踊っていました。一人ではできない経験ができたので面白かったです。
ベア友の正体
私は、一人でThe Sandboxを楽しんでいるわけではありません。実は、会社の上司と私の妹もThe SandboxのLANDオーナーであり、ケアベアアバターの保有者です。私のケアベアと一緒に踊っているのは、会社の上司のケアベアです。孫のいるお爺ちゃんなのですが、アバターは背中にハートがついたピンクのケアベア! このベアは私同様、自分で選んだものではありません。ですから、たまたま巡り会えたのがピンクのケアベアだったということです。ちなみに本人はとても気に入っています。
高齢者とメタバースについて考える
ゲーム好きな妹にThe Sandboxの説明をするのは容易でした。しかし、会社の上司に説明するのは苦労しました。その経験より、最近では高齢者とメタバースについて考える機会が増えました。
これからは高齢者にとってもメタバースは重要な位置付けになると考えます。その理由はいくつか挙げられます。
・家の中にいても外部の人と容易に交流することができる
・操作する時に指を使うので体(頭)に良い
・ワクワクして楽しい(刺激になる)
・高齢者にはできない行動もアバターなら簡単にできる(踊る、走る、飛ぶなど)
・アバターなら身分が容易にバレない
メタバースの世界に入ると、擬似的に外の世界と繋がることが可能になります。例えば、高齢になると足腰が弱くなるなどの理由で、若い時のように活発に活動できません。だからといって引きこもるのはよくありません。例えば足腰が弱くなると、アミューズメントパークに行くのは難しいですが、メタバースの中でアミューズメントパークを体験することは可能です。アバターが360度回転するジェットコースターに乗っても、そのスリルを私たちが体験するのは難しいかもしれません。ですが、ワクワクや興奮はスリルから得るものばかりではありません。普段体験できない空間に足を踏み入れることで、視覚・聴覚が刺激され、ワクワクすることができるでしょう。
またメタバースはテレビのように寝転がってボーっと見ていればいいというものではありません。ゴロゴロしていると足腰は弱る一方です。しかし、メタバースでアバターを操作するには、椅子に座って自分の体を動かさなければなりません。パソコンを使うなら、指を機敏に動かす必要があります。ヘッドセットを使う場合は、体全体を使うことになります。つまり、メタバースをすることで、楽しみながら体を動かすことが可能になるというわけです。
高齢者がインターネットを利用する時の心配事に詐欺があるでしょう。リアルな世界の場合、相手が自分の正体に気づき、その結果犯罪に巻き込まれることがあります。また、外観でセクハラや誹謗中傷に悩まされることもあるかもしれません。ですが、メタバースの場合、アバターの外観からこのような情報が判明する心配はありません。例えば90歳の日本人男性が、20歳の金髪でグラマーな女性のアバターであっても構いません。今、私のアバターはケアベアですが、このように人間でなくてもいいのです。ケアベアを見て、保有者の国名・年齢・性別・氏名を判断するのは不可能です。このようにアバターを用いることで、自分の個人情報が特定されなくなります。その点において、高齢者は安心して利用できるのではないでしょうか。ただ、私のように自分のことを自ら公開している場合は別です。
若年層と高齢者のメタバースの楽しみ方の違い
例えば旅行に行く場合、若い人はアクティブに朝から夜まで観光します。それに対し高齢者はのんびりと観光し、宿の食事や温泉も楽しみます。例えば「京都観光」といっても、若い人と高齢者では楽しみ方が異なります。
メタバースも若年層と高齢者では遊び方が異なると感じます。若い人は、ゲームのクエストを楽しむでしょう。Play to Earnでご褒美があれば、なおさらクリアすることに必死です。ですが高齢者はそこを目指すとは限りません。その前に疲れてしまいます。少しはゲームを楽しみますが、いくらご褒美があっても全てクリアするのは、よほどゲーム好きでない限り厳しいでしょう。体や目は若い人と同じではありません。それよりもその場の雰囲気を楽しむことの方がいいようです。高齢者には高齢者にあったサービスを提供した方がいいのではないかと感じます。例えば、ゲームでも飛ばないと先に進めないものは減らすなど。上手に飛べずいつも落ちていて先に進めないと、諦めてしまいますからね。
高齢者に対するメタバース活用事例
では、どのようなシーンで高齢者はメタバースを活用することができるのでしょうか。
・家族とメタバースを通じて遊ぶ
・高齢者施設でアクティビティに活用
などが考えられるのでしょう。
私も一度、妹と私がメタバース上で遊ぶ姿を両親に見てもらったことがあります。人生初、メタバース上で家族再会をしました。両親は私のパソコンから妹と私がメタバース上で遊んでいるのを見ていただけですが、それでも楽しそうでした。もちろん両親もそれぞれアバターを保有すれば、家族全員でメタバースに参加することが可能です。リアルな世界では行わないようなこと(例えばみんなで踊る)も体験することができます。
海外では、メタバース上で結婚式を挙げたというニュースもありました。家族・親族がメタバースで会うのも当たり前の時代になるのかもしれません。
また、高齢施設などのアクティビティに活用することも可能ではないかと思います。旅行のように様々なランドを観光してみたり、スポーツをしてみたり、ゲームをしてみたり、その日によって異なるアクティビティをするのもいいのではないでしょうか。また、遠くに住む昔の親友とメタバース上で会って一緒に踊ったりするのも楽しいでしょう。一緒にメタバース上で宇宙旅行をするのも楽しいかもしれません。
高齢者は若年層とは異なるメタバースの楽しみ方があると思います。そして高齢者がメタバースを活用すると、生活が豊かになり、体が健康になることに繋がるのではないでしょうか。「高齢者とメタバース」は、これから重要なキーワードの1つになると考えます。
*Twitterより引用