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商品改善に役立つマーケティングファネルを紹介するよ①

こんにちは。

僕はデータアナリストで、複数社のデータ環境の構築から分析・施策提案を仕事として行っています。

そんな中で、契約上載せられる範囲でD2Cビジネスを行う際に見てる指標をまとめてみました。

どんな指標があるかを知っている事は重要ですが、理解して使う事で初めて効果的で、意味があるものになります。

今回は復習の意味合いも込めて、この記事を通して業界の方と意見交換出来たら嬉しいと思っています。

何を書いたか

"実際に"D2Cの現場で可視化・分析・施策提案を行なった結果として学びのあった指標や、有効だった指標の紹介をします。

・ブランディング特化ではなく、マーケティング手法で規模を拡大させる
・商品開発において意識して見ておく数字をファネルに沿って理解できる

運用参考数値シート(スプレ)に各ファネルの重要指標と見方をまとめた

D2C全体の知識については下記のような方々が大作でまとめをつくってくださっているので参考にしていただければと思います。

重視するはブランドメッセージか顧客の声か

細かい事いってもブランドの思想・信念やメッセージが重要でしょ。という方は読んでも時間を消費するだけになってしまうのでこちらでそっと閉じて頂けると。。。

僕は、そのブランドの価値というのは顧客との関係性で決まるものだと思っています。なので重要なのはブランドと顧客の関係を確認して、すり合わせして、再度答え合わせしていく事ことが、D2Cというビジネスにとって重要で、D2Cの醍醐味だと思います。

ではさっそく、商品とブランドメッセージについて、顧客にとって反応がよいかどうか4象限で分けてみましょう。今の自社の商品を売り出している状況はどこにあてはまりますか?

1. 商品は良い、メッセージが悪い
2. 商品は良い、メッセージも良い
3. 商品は悪い、メッセージも悪い
4. 商品は悪い、メッセージは良い

これに配送や顧客対応、値段などの要素が重なってくるので一概にいえないと思いますが、それぞれ対応する優先順位が変わってきます。

良い商品をつくれば売れるのか?

「良い商品だからヒットしたのか、ヒットしたから良い商品なのか」

このニワトリタマゴ問題に対して、マーケティング部長時代「消臭ポット」「消臭力」「脱臭炭」などをヒットさせたエステー現会長 鈴木 喬 氏の言葉を紹介します。

いいものは売れない。売れたためしがない。逆です。売れるからいいんですよ。いいものだと思った瞬間、目が曇るんです。「買わねえ奴が悪い」とか言って、高慢ちきになっちゃう。

その「いい」は誰にとっていいものなのか。初動で売れそうな商材や領域を見つけ経営者のセンスや、優秀な少数の社員の力で対応している企業が多いともいます。0から1の立上げ時はそれでもいいと思います。

しかし商材によりますが事業を継続する場合、継続購入してもらうことが重要になる局面があります。その際、歩留まりや離脱箇所が分からない中で、商品開発や改善を行なっていかなければならない状況は継続的な購入を促すような商品開発を続ける為にマイナスでしか無いです。

データ収集は未来と顧客と向き合うため

細かくデータを見るのはあたりまえだろ。というお声もあるとは思いますがD2Cビジネスを行う場合、自社で製造から販売までを担うのため非常に工程が多いです。

そして具体的に向き合うことになる課題が多く全てに精通した人材など存在しないため時間がいくらあっても足りず、また時間で解決できない問題も多いです。具体的には下記のような課題です。例外はないとおもいます。

● 向き合う課題
1. 限定的な市場規模新商品追加が継続や企業成長に直結している
2. OEM開発形式をとる場合も多くROIコストコントロールがより重要
3. 在庫リスク供給不足のバランス

基本的ファネル

ファネルの話をする際にD2Cの企業のビジネスモデルについて簡単に言及しておきましょう。

D2C(Direct to Consumer)とは一言で言えば企画から販売までを一貫しておこなえる企業を指しています。違いはこんな感じ。

D2C ↔ 従来
・中間コストが少なく粗利率が高い ↔ 中間業者が多く存在
・ブランドをオンライン起点で拡散 ↔ 外部企業へ委託
・既存のECチャンネルと競合しない自社流通チャネル ↔ 他社PFでの販売
・顧客情報を直接保有 ↔ 一部データのみ閲覧可

ちなみにD2Cというワードは、Bonobosの創業者であるAndy Dunnが作った造語「DNVB(Digital Native Vertical Brand)から来てるらしい。以下の記事を読めば歴史の一端を知ることができます。

【DNVBの事例①】Walmartに買収されたDNVBブランド「bonobos」は何故うまくいかなかったのか

D2Cでビジネスするならファネルは、下記のようなモデルになることが多いと思います。

今回は一回購入で終わるような商品、高単価商品に当てはめるようなファネルは無視しました。

直近1~2年は、amazonビジネスや楽天にも出店してCPA回収可能な範囲で広告回したりして規模を大きくしていくのも効果的なので、そちらのモデルはおいおいまとめます。

● ビジネス構造は大手メーカーと変わらない
ものを売るというファネルはD2Cだろうが、代理店や問屋を経由しようが基本的には変わらない。

D2Cはファネル全体を自社でコントロールすることができるが、少人数で行うことになるので全てのクオリティを最大にすることは難しい。

そのため少ないリソースを、どこにいつどのように配置するか。ファネルでの出来事を正確に把握し意思決定を行なっていく必要があるのである。

1. 認知から購入転換

購入に至るまでを式に落とし込んでみましょう。

認知から購入転換へのポイント
購入(人)数 = Page View(ページビュー) * Conversion rate (コンバージョン率)

Page View(ページビュー)とConversion rate (コンバージョン率)のどちらかが直接的な目標指標となっていくと思います。

ぶっちゃけブランドメッセージをSNS発信だけで行なってPVを稼げているブランドはそう多くないんじゃないかと言うのが体感です。なので通常PVを増やす方法として、さまざまな方法を試していきます。

以下は僕が、具体的に顧客に提案している「認知 ~ 転換」までの間で施策として行う施策とストーリー例です。

要は商品に出会ってから、いいなと思って、購入という行動に至ってもらう時の顧客の体験をつらつらと書いています。

なくてもいいんですが人間は数字だけで判断するのが苦手な生き物なので、事象を整理したり、比較したり、納得したりする際に有効です。

また「認知 ~ 転換」内のファネルは細かくフェイズ分けでき、実行可能な施策はたくさんあります。技術やSNSの発展で今後も増えていきます。

● 効果がありそうな施策は多い。なので優先順位をつける
とどのつまり、まずは手にとってもらい購入してもらうに全てをフォーカスして良いと思います。いくら良い商品を作っても、ランディングページで商品の良さを訴求しても、手にとってもらえなければ改善のしようもないです。

また月に新規顧客が数人しか増えなければ改善の方向をつけられません。少数のニッチなユーザーに最適化された商品が、多くの人にとっての最適解とは限らないのです。

より多くの方に手にとってもらい、買ってもらえて初めて次のアクションを設定できると私は考えます。

1.1 認知

『PV is GOD』、『PV(成長)が全てを癒す』

PVの上昇はほぼ売上に直結します。これは不動産だろうが食品だろうが化粧品だろうが変わらなかったです。自然流入だろうが広告だろうが増えれば良いです。

● とにかくどこで売れるかを把握する
ユーザーインタビューやアドなどでその商品が、どのキーワードで探され、訪問され、購入まで至るのかを把握することが重要です。ブランド力で売っていくんだ!という企業でも、正確に足元の市場規模を知ることで不用意な在庫リスクを避けることができます。

下記は顧客に接触する際のメッセージの作り例です。

SEOを行うにせよ、広告+LPでのコンバージョンを狙うにせよ、まずはどのようなメッセージにどのような反響を見るべきです。具体的な方法論は、株式会社JADEさんの、ディスプレイ広告で試すべきことが、とてもよくまとまっていて参考になります。

そして、商品が買われないということはどこかに問題があります。ブランドメッセージの問題なら修正すればよいです。PVが集まっていない、集める努力をしたが思うようにいかない場合、商品を広める方法が根本的に間違っていることが多いです。SNSでバズるまで待っていてもいつまでも売れませんよ。

認知は早く、狭く
WEB広告がメインになります。facebookアドが占める割合が大きかったですが、ゆり戻りなのか直近だとディスプレイ・リスティングも体感として成績が出やすくなっています。

正直な話、SEOは対策をしてから結果が現れるまで数ヶ月かかるので後々考えればいいと思います。

認知が上がり様々な層の顧客に購入されていくと、新たな問題に直面するので、狙った、わかっている顧客層は最短で獲得したいところ。

1.2 購入転換

購入を後押しする要素を知る
対象とする顧客層がどのような趣味趣向を持っているかで後押しに効果的なものが違います。値段の場合もあれば、お得感なのか、続けられそう感なのか、安心感なのか。

● LPO戦略
LPOのABテストはGoogle optimizeで行う事をオススメします。儲かってるアフィリエイト企業でも最適化してないようなのでちゃんとやれば差がつきます。間違いなく。

● 購入を後押しせよ
初回の個数、クーポン、割引率など多くの要素があるから試して効果の良いモノを残しましょう。

● 細かくやり過ぎない。

GAとGTM以外は贅肉です。基本的にはGAのアクセス解析で問題ないです。勝ちパターンが見つかればあとは、成長率だけ見てればいいです。

ヒートマップ等様々なアクセス解析のツールが存在するが正直金を浪費しています。

次回以降

次回はファネルに沿って、定期転換から継続、休眠復活までを書きたい。書き始めるとどんどん長くなってしまう。。

そのうちまとめたい
- 使用取引サービス、データベース、BIツールの構成
- ABテストツール(Goole optimize)の効果的な使い方

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