「支援会社におけるマーケティング戦略とは?」みらいマーケティング本舗 代表 堀野氏をお招きし、アクシス社内勉強会を行いました
アクシスのnoteをご覧の皆さまこんにちは!
アクシス CS部の丹羽です。
アクシスでは、定期的に外部講師を招いてWebマーケティングのスキルを高める社内勉強会を開催しています。
今回は、みらいマーケティング本舗の堀野正樹さんをお招きし、「支援会社におけるマーケティング戦略とは?」について、事業会社と支援会社の両方の経験から、支援会社の立場でマーケティング戦略をどう扱うべきか、以下の3点を学びの目的としてお話を伺いました。
講師紹介
戦略について
冒頭、いきなり堀野さんからの質問で始まった勉強会。皆さんは「戦略」とは何かを問われたら、どう答えますか?
アイデア? 計画? 考え方?
「戦略」を説明するには、さまざまな回答があるかと思います。
私自身も、その回答が正しいかを自信を持って説明できません。
ちなみに著名なマーケターの方々は「戦略」をこのように言っています。
何となく分かりそうですが、少し難しいですよね…。そこで、出題された例題をもとに、より噛み砕いた内容で堀野さんに解説していただきました。
【例題1】「お金がないけれど旅行に行きたい。」
そんなとき、【戦略1】と【戦略2】のどちらが良い戦略でしょうか?
ハワイも熱海も両方行きたいのが正直なところですが、「お金がない」という大前提のもと旅行に行くため、ここでは「戦略2 熱海に行く」が良い戦略と言えるでしょう。
この例題は、どちらが良い戦略か割とすぐにひらめくことができますね。
戦略は、どこへ行くかを示し、どうやって行くかは戦術として考えます。
【例題2】企業が戦略・戦術を判断する上で、以下のA・B・C・Dのうちどれが悪いパターンでしょうか?(※お金がないことが前提)
Aから順に詳しくみていきましょう。
Aの場合、熱海に車で行くことは、行き先、方法ともに問題なさそうです。
Bは、熱海に自転車で行く。
車に比べたら少し時間はかかりますが、これも大丈夫そうです。
Cは、ハワイに自転車で行く。
これは判断しなくとも分かりますね。お金も時間もかかるため、
行き先とその手段は現実的ではなさそうです。
Dは、ハワイに車で行く。
熱海なら車で行くことができますが、ハワイは難しいです。
お金がない前提のなかでは、ハワイを行き先に選ぶことは良い判断ではないでしょう。
おそらく多くの方は、戦術も戦略にも現実的に難しい「C:ハワイに自転車で行く」と答えるのではないでしょうか?
実際、私自身もCだと思っていました。
しかし、堀野さんは「D:ハワイに車で行く」が企業にとって悪いパターンであると言います。
なぜならば、Cの場合はそもそもハワイに自転車で行けないことは、判断する前に気づくことができるからです。
Dの場合はお金がないのにハワイを目的地(戦略)として車(戦術)で行こうとしています。中途半端に車にリソースを投下して、ハワイに向かっているため無駄な投資が発生し続けてしまう状況です。
このようなパターンは実際、事業所でも起きていると言います。
「広告で何とか売り上げを立てよう!」と広告費を投下しているのに、そもそもの戦略が正しくないために成果が出ないというケースです。
戦略が悪ければ、どんな戦術でもカバーできない
まさに、ハワイに車で行くパターンですね。
皆さんもプライベートでどこかへ出かけるときは、まずは行き先を決めてからどの交通手段を使うかを考えると思います。
しかし、企業の立場になって考えると意外と見落としがちなポイントです。
戦略が弱ければ、どれほど戦術が強くとも「間違った方向に遠くまでいってしまう」ことになりかねないため「よい戦略」をつくることは重要だ、と堀野さんは言います。
よい戦略とは
ここまでで、戦略がどういうものかおおよそ理解ができました。
では、「よい戦略」ってどんな戦略なのでしょうか?
例えば…
目的 = 売上を3倍にする
戦略 = 新商品で新たな市場開拓をする
戦術 = 新商品のための広告宣伝を行う
堀野さんによると、これらの「目的」「戦略」「戦術」が一貫していることが大切だと言います。
目的をせっかく設定しても、戦略と戦術がばらばらだとその目標を達成することはできません。
必ず、目標 → 戦略 → 戦術に落とし込みをしていくことが大切なんですね!
よい戦略に大切な4つの要素
やらないことを決めているか?
限られたリソース(費用・人員など)の中で、成果を最大化にするためには、やらないことを絞ることが大切。
堀野さん自身も、あれこれ色んなことに取り組んでしまうと成果になかなか結び付かなかった経験があるそうです!
十分かどうか?
目標を達成するために本当にその戦略で到達できるのかどうか?
目標に向けて最適な戦略で進んでいるかしっかりと検証する必要がある。
継続可能か?
絵に描いた餅ではなく、現場がその戦略を実行していける体制が整っているかどうか。
自社の強みに合っているか?
慣れないことを行うよりも、自分達の強み・特徴を生かして実行していく。
これらの4つの要素が揃っていると「よい戦略」であると堀野さんは言います。
【堀野さん流】マーケティング戦略を考える手順
堀野さんが支援会社の立場で戦略をつくる上で、どのような手順のもと考えていくのかを伺いました。
1.市場分析
「市場はどうなっているか」 「自社はどうなっている」
(PEST分析・3C分析・SWOT分析)
2.事業戦略
「市場においてどう戦うか」
(ポーターの基本戦略・コトラーの競争地位戦略・STP設計)
3.マーケティング戦略
「誰に」「何を」「どうやって」届けるか
「Webマーケティングにどう落とし込むか」
(4P設計・AIDMA/AISAS・ペルソナ設計・カスタマージャーニー設計)
堀野さんは、このような手順で戦略を考えています。
戦略について堀野さんに相談する企業は、多くの場合が既に事業戦略やマーケ戦術らしきものは決まっているそうです。
しかし、必ずしもその戦略が正しいとは言えないため、鵜呑みにせず「確からしさ」を確認して戦術に落とし込むようにすることが支援する立場として必要だと言います。
Webマーケティング戦略のつくり方
前述では、マーケティング戦略のつくり方を見ていきました。
では、Webマーケティングに落とし込んだ戦略のつくり方はどのように考えればよいでしょうか?
1.目標(KGI)の設定
まずは目標がなければ始まりません。どこを目指したいかを明確に設定すること。
※KGI(重要目標達成指数:売上高や成約数、利益率など最終的な目標を定量的に評価する指標となるもの)
目標の設定はWebマーケティング戦略をつくる上で大切ですね。
実施した施策に対して、何が良かったのか悪かったのかが分からない状態に陥らないためにも、明確に目標を達成したと言える指標を設定しましょう。
2.現状分析(足りないもの・課題)
目標に達するために足りないものは何か?課題は何か?
3.Webマーケ戦略策定(仮説構築)
足りないものを補うための手段、課題を解決するための戦略、仮説を立て、現状分析をすると理想と現実とのギャップが明らかになります。その課題をどう解決するか、目標達成のためのシナリオを考えることが戦略となり、目標達成のための手段が戦術になると言います。
Webマーケターに必要な
3つの資質
Webマーケターに必要な3つの資質とは、まず土台となる「人間力」が重要であると堀野さんは言います。
「約束を守る」「熱意を持って取り組む」「コミュニケーションが取れる」というような、基本的な人間力がなければ、どれだけスキルを身に付けてもWebマーケターとしてはいけません。
これは、Webマーケターに限らずどの仕事でも共通する大切なことですね。
その次に大切なことが、ビジネス力です。
論理的思考や、マネジメント能力、ITリテラシーなどのスキルが求められます。
そして、Webスキル(広告・制作、データ分析など)は最終的に身につけるものだそうです。
Webマーケターになるためには、Webスキルが一番重要だと思いがちです。積み重ねることでスキルは身に付きますが、人間力はそう簡単に身につくものではありません。
どうお客さまと向き合うかを事業所と支援会社の双方の視点で考える必要があります。
まとめ
今回、セミナーを通して戦略の考え方や支援会社としてのあり方を学びました。
しばしば、成果を出そうと世の中で流行っているものを活用して施策を実施することがあります。
例えば「SNSが流行っているからインスタ広告をやってみよう!」や「他社がやっているから、負けないようにうちでもやろう!」など戦略が度外視され、戦術だけに走ってしまうことです。
「戦略が強いと、正しい方向に進む。戦術が強いと、より遠くまで行ける」
という堀野さんの解説から、いかに戦略が成果を最短距離で出すために重要なものかを学ぶことができました。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!
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