【スポーツスポンサーシップ】メディア型とコンテンツ型
① 日本のスポーツスポンサーシップはメディア型
「日本国内で興行が成功しているスポーツ」といえば、
野球、サッカー、あとはバスケと言われています。
何をもって成功かという話はありますが、これらの各トップリーグ事業規模をみてみますと国内Top3の売上となっています。(WEBにて拾ってきた数字なので、違っていたらすみません。ランキングはもちろん相違無いかと)
これらスポーツはとくに意識せずとも、日々ニュースなどで何かしらの情報が入ってくる環境があります。(コロナ禍だと少し状況が違いますが)
一方で、上記以外のスポーツの情報や露出はというと、専門のWEBサイトや情報誌でない限り日常的にはほとんどありません。
したがってそれらスポーツの団体や大会、選手のマーケティングにおけるプロパティ価値も必然的に低くなり、その結果スポーツをつかさどる団体や協会からすると当然資金が集めにくいという問題が。すなわち現状日本の多くのスポンサーシップマーケティングは、どれだけの露出量があるかがわりと重視されてます。
ではTOP 3以外のそれらスポーツ団体の資金源はというと、助成金や寄付金が収入の大半を占めているケースが多いです。当然ながら潤沢な収入では無く、故に普及・強化・広報の為の策に十分な費用投下はなかなかできません。良くて現状維持、悪ければ少子高齢化の日本ではどんどん競技人口などが減っていってしまうという事に。
※助成金や寄付金が資金源の多くを占めているという事についてですが、古くから日本のスポーツ界はタニマチ文化的なものがあると思っていまして、良くも悪くも今も多く存在しています。この辺りは、もう少し詳しくこちらのnoteに書いてます。
② メディア型だけでなく、コンテンツ型の価値も**
繰り返しになりますが、おおよそのスポーツ団体が掲げているであろう競技の普及や強化を成すには、助成金・寄付金だけに頼るのでは無く、収入において自立した運営が必要です。その為にはスポンサー獲得による収入増がまず考えられます。
では、メディア型の価値が作りにくいスポーツにおいて何をスポンサーへの売り物にするのかというと、やっぱりスポーツ団体だから持ち得る「コンテンツとしての価値」だと思っています。
※もちろん、そのスポーツや選手のファンに、広く企業ロゴやサービス名が露出できるというスポーツのメディア型価値の側面は引き続き大事だと思っています。
「団体(協会)運営」の整理&ガバナンス強化によって創出される、選手、大会、各種プロパティをコンテンツとして捉える。そしてそれらを企業のマーケティングに資する企画に昇華させる事ができれば、そのスポーツ団体自体にメディア型価値が見込めなくても魅力がつくれるかもしれません。
スポンサー企業はそのコンテンツを活用して、オウンドメディアなりペイドメディアなりで展開をしていく。そのスポーツ団体(協会)というオーソリティが、スポンサー企業単独では生み出す事ができない価値があると思っています。
③ コンテンツをCSVとしての活用
昨今では、企業がスポーツコンテンツを活用して社会課題解決を図るケースが多くなってきたと実感しています。もちろん企業の認知、好意を向上させる事が狙いです。
ちなみに、スポーツマーケティングの専門企業「ニールセンスポーツ」の調査(FAN DNA)では、以下の2点が述べられています。
今後企業はより一層、社会的価値や事業のサスティナビリティが要求されていくと言われています。そのような際にコンテンツ型としてのスポーツの価値というのは非常に魅力的ではないかと思っています。
ちなみに社会課題解決するだけでなく、それにより自社の経済的価値向上にまでつなげる考えをCSV(Creative Shared Value)と言い、個人的にはこの考えは今後アクティベーションのキーになっていくのではと思っています。
※CSV=経営学の第一人者であるマイケル・ポーター氏が提唱している考え方でCreative Shared Valueの略。営利企業が社会ニーズ(社会課題の解決)に対応することで経済的価値と社会的価値をともに創造しようとするアプローチ。以前からあったCSRの発展形とも言われています。
例えば、スポーツコンテンツと持続可能な開発目標である「SDGs」(言い換えると世界規模の社会課題)を掛け合わせる事でスポンサー企業の価値向上につなげる事ができれば、それは従来のメディア型よりも価値をもったものになるかもしれません。
最後に、個人的に良いなと思う企業の社会課題解決型アクティベーション事例を下記します。
今回は以上です。
これからもマーケティング、スポーツについて書いていきますので、よろしければ色々みなさんのご意見や知見を交換させてください。
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