募集マーケティング解説!第2章③ターゲットを設定するとは?
「ターゲットを設定しよう」
「ターゲットを絞って・・・」
そんな言葉をよく聞くかと思います。
ただ私がこの業界で様々な方と話しているとターゲット設定における重要なポイントを見逃して設定してしまっているパターンをよく聞きます。
「あぁそれだと上手くいかないのに。。。」
皆さんもそうならないよう、解説していきます!
1.ターゲット設定する意味は?
そもそもターゲットを設定、絞る意味とは?
【投資が分散して効果が薄くなる】
【ニーズが沢山あるから】
です。
【投資が分散して効果が薄くなる】
第1章で選択と集中の話をしました。選択されずに分散するとその分、投資、いわゆるリソースが充分に配分されず、効果も薄くなるというジレンマになります。
【ニーズが沢山あるから】
相手が高校生がメインという事は大学、専門学校の募集では決まっていますので、消費財を販売している企業からすると、ニーズもある程度絞られているものの、高校生達が求めることもそれぞれ違います。
施設に魅力を感じるのか、資格取得に魅力を感じるのか、教員に魅力を感じるのか、カリキュラムに魅力を感じるのか、はたまた立地なのか。。。
これら全てに対応するのか。選択と集中をするのか。
凄く分かりやすい例でお伝えします。
皆さんフェラーリをご存知でしょうか。
フェラーリはターゲットを富裕層に激搾りしています。もし、フェラーリが顧客を増やそうと中間層も獲得しようと大衆車も作り、PRを始めました。結果フェラーリは富裕層も大衆車層も獲得できるでしょうか。
恐らくそうはならないでしょう。寧ろ両方が微妙な結果となり得ます。(ここはブランドの話にも関わってきますが今回は保留で!)
2.ターゲットを絞る時の注意点
重要なポイントは2つ!
1つ目は、ニーズを満たしかつ自校の強みを活かした設定にすることです。
第1章戦略のお話の際の事例を元に解説しますと、
ニーズ:先生が面白い!学校の雰囲気が良い!学校
で学びたい
強み:学校の先生が個性的で魅力がある
となります。実際、施設や就職率、就職先の華やかさなど多くが競合校に負けていました。しかしながら、学校の先生だけはどこにも負けないという自負、そして在校生達が集まる様子を見てニーズを見つける事に繋がりました。
競合が真似できないことであれば尚更効果は抜群で、その後も継続的に集客増へと繋がりました。
2つ目。これが実は1番見落としいる方が多いのですが、【足りるかどうか】です。
あまりにターゲットを絞り過ぎて、求めている数ほどそもそも母数がいない。そんなターゲット設定をしているところを時々拝見するのです。
実は今いる学校に来た当初、学校がある都道府県の〇〇分野の専門学校進学者から〇〇〇人獲得を目指す、という目標が掲げられていました。
「ん?多くないか?」そう感じて、データを集め分析した結果、そもそも母数とほぼ同数を掲げられていました。流石に競合校もいる中で、100%獲得という目標、ターゲット設定は無茶な目標だと伝えました。そう、そもそも分析せず昔それぐらいいたから頑張ればいけるはずだと思っていたようです。しかも、それはコンサル企業が協力のもと掲げていた目標で愕然としました。
3.今回のまとめ
ビジネスにおいて100%無理だという事はありませんが、限りなく達成率が低い目標設定は宝くじを買って一等当たる事を願う事と私は同じだと思っています。宝くじはご自身のお金なので自由ですが、学校は学費で多くが賄われています。
確率を上げたり、見つけたり少しでも達成確率の高い投資をすることが広報職員の仕事の1つだと思います。
皆様もターゲットだの、差別化だのビジネス用語に惑わされず、しっかりとした知識とデータを持つ事、それらを利用して考えることを意識していただければ幸いです。
次回は少し難しいかもしれませんが、ターゲットを絞った後、【何を提供するのか】についてです。
選ばれる学校になる為に、学校はターゲットに対して【学生に何を提供しているのか】を伝える必要があります。そしてそれが欲しい事でなければ選ばれません。
「皆様の学校では何を提供していますか。」
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