ゴール達成とコーチングの必要性
こんにちは。プロコーチ(学習中)のえちがたにです。
先日プロコーチになるというお話をさせていただきました。
セッションを受けていただく方に向けて、目標設定とは?(今後ゴール設定と表記します)コーチングとは?、認知科学とは?の前提を知っていただくための情報を整理しています。
ただ、これらの情報はコーチングを受けない方にも、ご自身の目標設定、認知などを理解でき、正しいマインドの使い方をするヒントになるかと思いますので、これから記事にまとめていきます。
本記事についてはゴールの重要性とその実現の難しさと、それらを進めるためにコーチがなぜ必要なのか、お話させていただきます。
大きなことを実現するには!?
「夢を叶えたい」「仕事で大きなことをやってみたい」「趣味などで自分の好きなことをどんどんやってみたい」多くの方はこれらのことを頭に描いたことがあるのではないでしょうか?一方、これらを実現した方は少ないように思います。
たとえば「仕事ですごいことをやる!」と考えたときにやるべきことはとてもかんたんです。
<やるべきこと>
・仕事のゴールを設定する
・仕事のゴールを達成する
つまりは「やることを決めて、やる」それだけです。
言うのはかんたんですが、これが非常に難しいことは多くの方が納得いただけると思います。
しかし「昔思い描いた夢、目標は何故できなかったのか!?」少し考えてみましょう。達成してきた方は何故できたのかを考えていただきたいです。
よく聞く答えとしては
・努力が足りなかった
・自分のスキルや才能が足りなかった
・他にやらないといけないことがあったから
などがあります。
しかし、これらの回答はすべて認知科学コーチングの考え方からすると誤りです。
なぜ間違っているのか、どう考えればいいのかをゴールについてのお話を通して説明します。
人の認知を決めるゴールの重要性
はじめにゴールの重要性について説明します。
まずご理解いただきたいのですが、「ゴール」は多くの人が考えている数十倍、数百倍重要です!
人生を決めるのはゴールであり、ゴールにより人は認知は変わる。
何やら仰々しく書きましたが、説明していきます。
人の脳は仕組みとして、自分に重要性があるものは見聞きでき、逆に重要性がないものは見えない、聞こえないという機能を持っています。つまりゴールに会わせて脳はフィルターのように情報の取捨選択をしています。このフィルターの役割を持つ仕組みをRASと言います。また、その際、認識されていない事柄は「スコトーマ」と呼ばれます。
なぜ、こんな機能があるのか、それは人間の生命維持に大きく関係しています。目の前にある情報を全ての脳が処理しようとすると、脳が処理しきれなくなるため情報を遮断しています。
また極端な例ですが、クマに襲われたときなど生命の危険にさらされた場合にはRASは敵や自分の身を守るものに集中するようになり、逆に他の重要性の低いものには目が行かないよう、ほとんどのものがスコトーマになります。クマに襲われたことがイメージしづらい場合は急にトイレに行きたくなった場合などをイメージして見てください。トイレのマークがパッと目に入るはずです笑
ここで覚えていただきたい内容としては、ゴールにより人の認識できるものが変わる。つまり大きなことを成し遂げるためには大きなゴールを設定して、自分の認知を変えていく。そうするとインプットが変わり、自分が大きなゴールを実現するような人間になります。
大きなゴールを拒む人間のマインド
ゴールの重要性が分かったら「よし!とりあえず大きなゴールを立てて自分をアップデートしよう!!」と思っていただけたかもしれません。
しかし、そうかんたんにいかないのが現状です。。。
ここで、冒頭でお話した大きな目標を立てつつ「実現できなかった」「なぜかやろうとなしなった」というお話に戻ります。ここで自分の努力やスキルなどを原因に思うことは辞めましょう。無駄に自分の評価を下げることになります。うまくできない原因は他にあります。
原因は「コンフォートゾーン」と「ホメオスタシス」です。順に説明します。
人間は常に自分の体や心を快適な状態、パフォーマンスの高い状態に維持しようとします。この快適・パフォーマンスが高い状態がコンフォートゾーンであり、コンフォートゾーンに維持しようとする機能がホメオスタシスです。
例えば、体では人間の体温はだいたい36℃前後かと思いますが、寒いところに行っても暑いところにいっても、震えるや汗をかくなどをして、体温を一定の温度に留めようとします。このときコンフォートゾーンは36℃前後、ホメオスタシスの作用は震えるなどの反応になります。このように人間はコンフォートゾーンに留まる性質があり、コンフォートゾーンに留まることで快適・パフォーマンスを向上させます。
本番に弱い人、人前に出るとうまく話せない、アウェーだと負けやすいなどはコンフォートゾーンから出ることでパフォーマンスが下がっていることが一因となります。
これを聞くと「コンフォートゾーンにいればパフォーマンスが高くていいじゃん!」と思うかもしれません。ここでの問題は、現状の自分の行動・業務のパフォーマンスが高くなる一方、現状の行動・業務に留まりやすくなるということです。つまり、人間はいつも同じ行動・業務をすることを好むようにできており、コンフォートゾーンから出ることを避けようとする性質があります。
ちょっとイメージしていただくためにお話をします。
「今年は英語を覚えよう!」と思って学習を始めたAくん、よーし始めるぞ!と思ってその日は3時間勉強しました。
しかし次の日に勉強をしようとしたところ、部屋が汚いことに気が付き「こんなんじゃ勉強がはかどらない」と思い部屋の掃除をはじめます。部屋の掃除をしていたら懐かしの漫画「スラムダンク」を見つけます!「あ〜、なつかしいなあ」と思いながら読み始めたらしっかり読み込み、やっぱりバスケってステキと再確認。
そういえばバスケ部のBくんは何しているかなーと思ってfacebookを覗いていると、投稿を見ていると最近結婚してたり、転職してたりしてやっぱ「30超えると色々あるよな〜」「おれもちょっと転職とか考えるかな〜」なんて思いつつ、「あら、こんな時間」となってお風呂入って寝る!
途中から「なんのこっちゃ」な話ですが、似たような経験がある人は多いのじゃないでしょうか?
こういう経験をしたときに「あー、自分は意志が弱い!」なんて思うのは辞めましょう。これら全部ホメオスタシスが原因です。
特にこのようにあれやこれやの手を使ってやるべきことをから回避する行動を特にクリエイティブアボイダンス(創造的回避行動)と言います。
ホメオスタシス側からの視点で考えます。
「英語をやろう」と思ったタイミングからホメオスタシスは「英語を覚えるなんて現状じゃない!こいつを現状に引き戻そう!」と考えます。
そのため「こいつになにか英語以外のものに注目させよう!」と思い「汚い部屋、スラムダンクを見せよう!どうにか英語から話すんだ!」と作戦を練り、RASを英語に関係ないものに向けさせます。
めちゃくちゃずる賢いですよね。こんなやつが心にいる限り大きな目標達成は非常に難しいです。
ただ、あまりホメオスタシスを嫌いにならないでください。というのはホメオスタシスは体温をはじめ自分の「生命維持」を目的とする機能のため、非常に必要な機能になります。そんな命がけの門番がいる限り大きな目標達成は非常に難しいことは理解できるかと思います。
大きい目標達成にはコーチが必要
ここまでで、ゴールの重要さが分かる一方、大きなゴールの達成の難しさも理解いただけたかと思います。また、それを自分だけで解決することの難しさも分かるのではないかと思います。
では、ここでゴール達成には伴走者であるコーチが必要ですが、コーチの間違った認識を修正させてください。また、ここで他のコーチングのスタイルとの比較で「認知科学コーチング」が重要な理由をお話させていただきます。
ちょっと古い話かもしれませんが、大きな成果を出すスポーツ選手等ではコーチが「気合い!根性!」などを押し付けて厳しいトレーニングを貸すようなイメージがあるかもしれません。※極論です。そのようなコーチは現在ほぼいかないかと思いますが昔の印象が残っている方もいるかと思うので、挙げています。
また、近年のコーチなどではクライアントのお話・気持ちをよく聞いてクライアントの内面からゴールを導き出すなどの傾聴を主としたコーチングがあります。
これら2タイプのコーチングでは大きなゴール達成は難しくなります。もちろんこちらは「大きなゴール達成」という観点で考えていますので、別の目的の話は割愛します。
まず熱血型です。スポーツや仕事などを気合いや根性、時には罰則を交えて進めるやり方は前述したホメオスタシスが強烈に発生します。そのため、その結果として心や体にダメージを負うことが発生しやすいやり方となります。
次に傾聴型です。相手の話や気持ちをよく聞いて考えや気持ちの整理をおこなう方法は、より自分を現状に閉じ込めることになりやすい手法です。また、コーチが相手に共感や同調しやすくなってしまうため、2人で現状を強くする結果となります。
上記のコーチに対して認知科学コーチに関しては前述したようなマインドの仕組みを理解し、そのマインドに逆らうわけでなくマインドの仕組みをハックする形でゴールの設定と達成を伴走します。
そのため、前述したゴールを阻害するコンフォートゾーン、ホメオスタシスをゴールに利用する形で取り扱います。
今回はゴールの重要さ、ゴール達成に向けた阻害要因、ゴールに向けたコーチの重要さについてお話させていただきました。
次回からはゴール達成に必要なことについてお話させていただきます。
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