意識低い系経営のススメ 揉め事の解決~意識低い系経営者ができるまで~その3
本記事は概ね毎週水曜日に更新する予定でおります。
よろしくお願いいたします。
社内の揉め事はイヤだなあ
自分にとって一番きつかったのは、
社員同士、部署同士の揉め事の仲裁です。
トップなら、自分のポリシーにそってしっかり判断すればいいじゃないか!
ってアドバイスもたっくさん頂きました。
もちろん、その通りだと思うのです。
その通りだと思うのですが。。。
双方の言い分を聞くと、それなりに「理」がある気がしてきゃうんです。
「自分なんかより、よっぽど考えてるじゃないか!」なんて思うこともしばしば。
流されやすいタイプです。
揉め事ってだいたいこんな分類になりそうです。
・優先順位
・判断基準
・観点の違い
・情報量の差
・仕事の進め方
・性格や価値観の違い
・相性
まだまだあるとは思いますが、ざっとこんな感じ。
これらが異なることで、双方互いに相手に対する不満や疑問、時に怒りが生じます。
「どっちなんですか?」
「本当にそれでいいと思っているんですか」
「常務(社長)はそっちが大事ってことですか」
「それを認めるなら、こっちも好きにやらせてもらいますよ」
「いっそあいつらは失敗して痛い目にあった方がいいんですよ」
私は叫びます。
「どっちもどっちで、どっちでもいい!」
と心の中で。
しかし、上の分類を見てみると、
ビジネススキル的なものもありますが、個人の価値観によるものも多い。
いや、むしろそれこそが深刻。
揉め事の事例 残業のこととか、進め方のこととか
具体的な事例だとこんななっていきます。
残業大好き社員と残業大嫌い社員がいるとして、
どちらが仕事ができると考えます?
別の観点だと、どちらが責任感が強いか?
なんて見方もできます。
いやそれって、残業するのは残業代稼ぎたいだけ?とか
ってことは、
そもそもうちの給料じゃ生活できないのか?とかの観点もあります。
まあ、あれこれ考えちゃうわけですよ。
人に協力しないが、自分の仕事はきっちりやる社員と、
人助けは上手できめ細かいが、自分の仕事にはなんか甘い社員はどちらが優秀とか、
それってどちらが正しい社員なのか?
どちらが会社に貢献するのか?
人に優しいのは、本当は残酷で
人に厳しいのが、本来の優しさなのかとかも。
こんなのもありました。
取引先の外面はいいが社内の評判が悪い社員と
その逆のふるまいをする社員はどちらが評価されるのか。
まあ、人によるとか、時と場合によるのですが、
そういう曖昧さでは社員は納得しないんですよね。
「うちの会社はこっちだから」と決めることは案外簡単なんです。
ただ、大事だと思うのは、えいっと決めることだけでなく、
皆が納得して、日々業務に向かうことができるかなわけで。
会議中に揉めるなよ
いちばん困るのは会議中の戦闘勃発!
会議の最中に意見の違う2人が、
いや、そもそも価値観の違う2人が
果ての無い議論が起こってしまった時。
まさに、双方の正義がぶつかり始めます。
会議なのに。
いや、建設的な議論はいいですよ。
会議だから。
でも、建設的とは思えないことでやり合うんですよね。
で、他の参加者はなすすべ無しに聞くとも聞かぬともになります。
建設的な議論じゃないから当然です。
しかしながら、本人たちは熱く自分の「正義」を勝利させるため、
どちらが正しいかの全面戦争突入です。
2人だけでなく、次第に巻き込まれる人も出はじめます。さながら連合国対枢軸国です😭
私はどちらに与することができず、時間は経過します。
だんだんと、皆が私に注目し始めます。
「常務(当時は常務)はどっちの味方ですか?」
「なんでもいいからさっさと終わらせてください」
「どっちでもいいから早く決めて」
「リーダーのくせに決めらない人???」
そんな目がどっと私に向けられます。
眉間にしわが寄ってる人もいます(かなり怖い)。
彼らも彼らで自分の正義があるのです。
で、私の本音です。
「どっちでもない」か「どっちでもいい」または「俺のとは違う」
いや、それ以前に思うのは
「この空気が嫌い!」
でもここで、
私の指示は第3のこれだ、と別の意見で押し切ったら、
それはそれで上手く行かないのですよ。
戦争の終結には「面子」も関わってくるからです。
結局、後で別室に呼んで、延長戦になります。
双方の話と自分の意見も交えて
なんとか案をまとめる。
ポーツマス条約とかの講和条約ってこうやって締結されたんだろうな、
なんて思ったりもします。(レベルが違い過ぎますが)
でも、そんな案はだいたい上手く行かない、そりゃそうだ。
中途半端な折衷案だから。
不満を持った人は「焼き討ち事件」とか起こしちゃうわけです。(会社でそれはなかったですが、ぎくしゃくは続く)
ただただ、ひたすらに徒労感だけが残る。
「やっぱりリーダー失格だな」
と今日もひとり家で悩み苦しみます。
トップは板挟み
人っていろんなタイプがいるなあ、
みんなダメではないけど、そのままでもどうよ。
そもそも自分も人の事を言えた義理ではないし。
今でいう多様性?
でも当時は、
会社は統一性が大事、一丸となって、同じベクトルで進むべきものでした。
多様性というよりも、社員の考え方が一致してないのはリーダーシップがないからです。なんて
でも、私の個性はちゃんと尊重して欲しいです、とかも。
うーん、どっちだよ!
こんな板挟みに対して、
なんか決められなかったんです、
どっちでもいいし、どっちもよくない(でも、悪いじゃないんだな)
時と場合だし、言い方を変えれば、意外と納得してもらえたこともあったり。
うじうじした奴だな、と思われるかもしれません。
否定はしません。
面倒くさいの勝利
でもね。思うんですよ。
基本的な方針とか目標とかを最終的に決めるのは、もちろんトップリーダーです。
しかし、そのための各自の進め方とか、立て直し方、やり直し方とか、
そんなのは、あまり決め過ぎない方がいいんじゃないかな、と思うのです。
だって、そんなの息苦しくないですか?
皆それぞれの得意なやり方とか、効率のよい進め方とか、
気持ちのいい段取りとか違いますよね。
物事日々動きます。
昨日と今日では判断軸変わるし、明日は明日の判断基準ができるかもしれないし、
先のことは分からないし、昨日のことは変えられないし。
今日できることを深夜まで残業するとして、
今日のうちに、やれる段取りすべてやっておこうとか、無駄じゃね?
明日変わるのがわかってるなら明日でよくね。
明日それで大変そうなら、今日はさっさと帰って休んだ方がよくね
だって二度手間じゃん、面倒くさいじゃん!
仕事をする上で、緻密さとか用意周到さが必要なのは確かだけど
それが目的化し過ぎると、本当に目指すゴールからずれません?
今やれることは今やるけど、明日で変わるかもしれないことは明日でいい、
目の前で解決しなきゃいけない必要に迫られたことは今やるしかないけど
明日でいいなら、明日にならないとベストな判断基準はわからない。
面倒くさいー。
えーい、
めんどくさいことはやめた!
自分がラクできること、まずはそれを最優先にするんだ!
だいたい、人と人の揉め事の仲裁は面倒くさい。
だったら、揉め事が起きないようにすることを考えよう。
そのためにはどうする?
よし、自分は社員同士の揉め事の仲裁は嫌いだとちゃんと宣言しよう。
(実際には宣言した社員は選びましたけどね)
人によって仲裁が上手く行きそうな人がいたら、事前にその人に相談して頼むとか、
揉める前にポイントと説明しておくとか、
そっちからやっていこう。
揉めた後に解決するより、先に手を打つ方が相手も冷静だし、こちらも冷静だし
まだ揉めてないから、お互い解決策も出やすいし、
なにより早く終わる、むしろ意外とすぐ終わる
こっちの方が
絶対に
ラクだ!
その4につづく
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