意識低い系経営のススメ ポストイットの活用~意識低い系経営者ができるまで~その4
本記事は基本、毎週水曜日に更新の予定で進めております。
どうぞよろしくお願いします。
ポストイットの活用
当時私は皆がいるフロアーとは別フロアーの個室の役員室を使っていました。
大きめのポストイットを大量に購入し、
悩んでいること、課題と感じていることとか思いついたことを書き込み
壁中に貼り出しました。
ポストイットというと意識高い人のツールのように思えますが、
私の主たる目的は、部屋に入ってくる社員の目に入るようにすることでした。
「こんなことを考えているだ」
「これが課題なんだ」
口で伝えると波紋が起こりそうなことでも、
書いて貼ってあるだけだと、そうでもない気がしたんです。
何か聞かれても、自分の課題と伝えると、
意外とその課題の種たる当事者は自分事と気が付かないこともありました。
私にとっては面倒な不満であっても、
その不満を発する社員自身からすれば一生懸命に仕事をしようと思って言っていることです。
悪意などなく、何とか成果をあげたい、会社を良くしたいという思いがあって、
それを彼らなりに必死に表現しているのだと思うようになってきました。
自分なりの解決方法を思い付くと、それも書いて、
課題の横に貼り出します。
別のアイデアが思いつくとそれもまた貼り出します。
心の中を思い付きのように貼り出していくので、それぞれは未整理です。
しかし、貼り出したのを眺めていると、同じテーマが何枚も貼り出されていたり、
課題として貼り出してあるものについて、逆にスルーするぞ的なことを貼り出しているものもあったりします。
何枚もあるものは、ある意味心から課題と思っていると分かりますし、
1枚しかないものや、逆の見方をしているものがあると、
大して悩んでないのかも、なんて冷静になれるものもあります。
枚数が増えて行くに連れて、
入室した社員が、「増えましたね~」とか「これ、私も同じこと考えてました」
なんて感想を聞かせてくれる人も出始めました。
私が素で物を書く時の文体はだいたいこの記事にあるような綴り方が多いです。
なので、ポストイットの書き方も、怒りに任せて書きなぐるというより、
「〇〇どうする?」とか「☆☆なんとかしたいな」みたいに書いていたので
反発めいたリアクションをする人が少なかったのも幸いしました。
結果論ですけどね。
でもこれで、自分一人で抱え込んでる感はかなり薄められたのは確かです。
書き出して貼り出し、皆にもさりげなく伝えることが出来て、
確実に精神的にラクになれたのです。
センスってなんだ??
こんな時期にあるセミナーに参加しました。
メンタル系や自己啓発系ではないです。
ストレングスファインダーでは着想トップの私は思いつきアイデア出しが得意で
それが業績の好調さにも繋がっていたのですが
思いつきって再現性がないんです。
神様が急に降りてくる感覚なので、教えようもない。
会話はこんな感じになります。
社員「このキャッチコピーどうですか?」
私 「いや、なんかパンとしたのがないよね、なんかもっとググっとくるようなバシーンとした言葉にした方がいいよ」
社員「????」
私 「だから、こんな感じでさ」(頭に沸いてきた言葉を伝える」
社員「なるほど、確かにインパクトあって目に留まりそうですね」
私 「だろ、だろ!」
社員「だけど、これ、ググっとかバシーンじゃ分かりませんよ」
私 「なんで???」
なんの指導にも助言にもなってませんね。
こんなやり取りで伝わらないとか、
いつまでやってもピンとくるアイデアが出てこない社員に対して
私は心の中で感じていたことを一言で言うと、
「こいつセンスねーな」
です。
言葉に出したことも何度もあります。
でもある時社員に言われたんですよね。
かなりの怒りを含んだ語気で。
「センスって何ですか?」
たじろいだ私の返事は小声気味に
「生まれつき・・・」
「ふざけないでください!!!!」
食い気味に返されました。
まあ、今思えば当然ですね。
「それじゃ、いくら努力しても無理ですよね、無理なことをやらされているわけですよね」
これには返す言葉もありません。
この場はそれで一旦終わりました。
ただ何も解決していません。
早速ポストイットで貼り出します。
「センスってなんだろう?」
「センスの学び方はなに?」
「センスの再現性は可能?」
思いつきに再現性を!
そんなテーマでブログやら記事やらを探し始めたら、
同じようなことを書いている、とあるブログに出会いました。
で、連絡を取り合い、実際に会って話をしたりして、
その時に勧められたのが、ブランドマーケティングのセミナーでした。
ブランドマーケティングに興味があったのは本業的にそうなんですが、
「型から身につける」
「再現性を目指す」
といったワードがあって、
ブランドマーケティングの基本の型を学んで、トレーニング的に鍛えて身に着ける。
といったコンセプトでした。
これは「センス」の課題を解決するヒントになりそうだと思い早速参加しました。
内容は本題から外れるので省略しますが、
これは非常に役に立ちました。
というか、相当影響を受けました。
うちの会社に、というより私の頭に「型」がない。
だから社員に伝わりにくいんだ。
だから社員同士で揉めるんだ。
うちの会社にも、まず「型」を作ろう。
その「型」で思いつきのプロセスを仕組み化できるのでは。
思いつきのプロセスに再現性は作れるのではないか。
「型」を作って、それにそって伝えれば、社内の揉め事が議論に変わるかもしれない。
そうすれば
自分がラクできる!
すこし光が見えてきました。
その5につづく