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『空母いぶき』を観る
昨夜は秋の夜長でリラックス気分でした。寝床に入ってから、amazon primeにアクセスして、映画『空母いぶき』を観てしまいました。二日連続で映画感想文です。※ネタバレを含みます。
2019/5/24に直前に大バッシングされた映画
原作は、『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』といった名作漫画を生み出し続けてきたかわぐちかいじ先生の漫画、『空母いぶき』です。
その際どいニュアンスを何とか映像化すべく苦心して作り上げた作品と言えそうです。監督:若松節朗(東日本大震災を描いた『Fukushima 50』で、本作の翌年の第44回日本アカデミー賞 最優秀監督賞を授賞)・脚本:伊藤和典・長谷川康夫にて映像化され、2019年5月24日 …… 私の51歳の誕生日 …… に公開されました。うっすらと当時の記憶が甦ります。
主人公の「いぶき」艦長で、航空自衛隊で元エースパイロットだった、秋津竜太を西島秀俊が、秋津の価値観とは折り合えない「いぶき」副長兼航海長、藤堂歳也を佐々木蔵之介が演じています。
この映画は、公開前にある炎上が話題になって注目を集めました。きっかけは、着実に名優の階段を歩み続けている(と私は感じている)佐藤浩市(内閣総理大臣、垂水慶一郎役)のインタビュー記事です。
安倍晋三首相を彷彿とさせる垂水総理大臣役を演じた佐藤浩市氏は、ビッグコミック誌上のインタビューで、
―(インタビュアー)総理は漢方ドリンクの入った水筒を持ち歩いていますね。
佐藤 彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます。
と語りました。この発言に激しい嫌悪の反応をしたのが、小説家・百田尚樹氏でした。百田氏はSNSで怒りに満ちた口調で、”佐藤浩市は『三流役者』”と、吐き捨てるような弾劾投稿を行いました。この乱暴な発言を巡って、多くの人たちが乱入して論争となりました。映画の内容に対しては徹底的に批判的な記事を書いている古谷経衡氏は、百田氏の発言に対しては「百田氏はインタビュー記事のことばじりだけを捉えて誤解して、感情に任せて的外れな批判をしている」とコメントしており、私もこの点は古谷氏に同調します。
映画≒65±5点でお願いします!
では、私がこの映画に敢えて得点(スコア)を付けるとするならば、「65±5点」(100点満点)でお願いしたいと思っております。あまり高得点ではない理由は、以下の通りです。
① 事前設定の東亜連邦が余りにもご都合主義的に使われていました。
② 主要キャストが軒並み男優でした。
キャストの内、ストーリーに絡む女性キャラは、ジャーナリストでネットニュース P-Panel編集長:晒谷圭子(斎藤由貴)、偶然のタイミングで、いぶきに取材目的で乗り組み、そのまま戦闘に巻き込まれる、ネットニュース P-Panel記者の本多裕子(本田翼)くらいしかいません。
③ 政府見解に沿ったプロパガンダ色が強く感じられました。
④ コンビニ店主役を演じた中井貴一は、その登場の意図がわからない訳ではないものの、無駄使いだった、と感じました。
⑤ (多くの人が指摘するように)国連軍登場による停戦の成立、その引き金は本多記者のいぶき艦上からの発信だった、という設定はいかにも安直であると感じました。
ただ、私は古谷氏が書いている程、酷い映画とも思いませんでした。秋津艦長と藤堂副長の価値観のぶつけ合いの場面は迫力があったし、古谷氏が「無関係で邪魔」と断罪している、コンビニ店の一日の下りも、制作陣が意図をもって挿入していることが感じられた。描かれ方がコミカルで箸休め的と受け取られるだろうな、とは思いましたが、それ程は気になりませんでした。
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