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私の好きだった曲㉗:ザ・ベスト・オブ・タイムズ

私の好きだった曲シリーズの第二十七弾は、スティクス(Styx)『ザ・ベスト・オブ・タイムズ The Best of Times』(1981です。思い出の詰まった曲です。

スティクスが好きだった……

本作は、アメリカ中西部の大都市シカゴ出身のスティクスの通算10枚目で、彼らの最大の成功アルバム、『パラダイス・シアター Paradise Theater』(1981に収められています。最初にシングルカットされ、大ヒット(全米3位)もしました。スティクスは、私がほぼほぼ全アルバムをレコードで所有している数少ないバンドです。

スティクスを初めて知ったのは、ラジオです。NHK‐FMの平日19:00から『サウンド・オブ・ポップス』という番組がありました。洋楽アーティストの最新アルバムから数曲を厳選して流してくれる、ありがたい番組でした。貧乏な中高生にとっては、45分間エアチェック(死語?)し放題のこの番組は重宝し、大いにお世話になっていました。

1983年の私が洋楽に本格的に没入し始める頃に、その番組で、ジャーニー(Journey)/スティクス(Styx)の特集が組まれているのを、毎週購入していた週刊誌のFMレコパルで知り、ステレオの前で待ち構えてオンエアされた全曲を録音しました。1983年ですから、ジャーニーの新作は『フロンティアーズ Frontiers』、スティクスは『ミスター・ロボット - キルロイ・ワズ・ヒア  Kilroy Was Here』です。A面にジャーニー、B面にスティクスを録音したテープ(確かTDK ADの46分)は、当時擦れ切れるほど聞いた記憶があります。

アメリカを代表するプログレッブ・ハードロックバンドであるスティクスには、ある時期本当に嵌まりました。1980年代の後半にはCD化の流れに抗せなくなって、レンタルレコード店で安く叩き売られていた過去のアルバムをレコードで買い漁りました。

気に入ったのはバンド名です。スティクスとは、ギリシャ神話の「黄泉の国の川(三途の川)」に由来し、ダンテが著した『神曲 La Divina Commedia』にも”River Styx”として登場する…… というエピソードを聞いて、「何と、インテリなんだ…」と心酔していました。若かったなあ、と思います。

パラダイス・シアターの物語を知って

いわゆるコンセプトアルバムであった『パラダイス・シアター』の中で、好きだった曲が、本日取り上げる『ザ・ベスト・オブ・タイムス』と、A面3曲目に収められている『時は流れて - "Too Much Time on My Hands"』でした。前者は、デニス・デ・ヤング(Dennis DeYoung 1947/2/18-)、後者は、トミー・ショウ(Tommy 1953/9/11-)がボーカルを取っています。後付けの知識ではありますが、スティックスの看板を背負う二人のこの頃の微妙な関係が溢れています。

パラダイス・シアターは、彼らの地元であるシカゴに実在していたシアターで、アメリカ駐在時代に、その跡地を訪れてしばし悦に浸りました。今では懐かしい思い出です。

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