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金曜日の随筆2024:もっともらしさへの叛逆

また運命を動かしていく金曜日が巡って来ました。2024年のWK49、師走の壱(仏滅)です。本日は、『もっともらしさへの叛逆』というテーマで、私の考える人生後半戦への挑み方を語ってみます。連日、思いついたことを綴る日記投稿(=送りバント)が続いていたので、少し力を入れて、踏み込んだ主張をしてみます。


もっともらしいが、全く刺さらない提言

きっかけは、とあるフィナンシャル・プランナー(FP)の方が、現役世代の方向けの提言として書かれていたある記事を読んだことでした。

要約すると以下のような内容でした。

人生100年時代。60‐65歳で仕事をリタイアしても、残り35‐40年もある。
人生後半をお金の心配なく、安心に暮らす方法は以下の3つ。
 ① 年齢に関係なく働けるうちは働き続けよう
   ー 暇を持て余すことのないよう、働くことで社会とつながれる。
   ー 定期的な収入があれば安心感が得られやすい。
   ー フルタイムでなく、働きたい範囲でOK。
   ー 健康であること、長く働けるスキルをもっておくことを目指せ。 
 ② 現役時代に貯蓄する習慣を身に付けておこう
   ー 現役時代から老後に向け、毎月決まった金額を積み立てよう
   ー 先取り貯蓄で、少ないお金でやり繰りする習慣が身に付く
 ③ 年金を繰り下げ受給する
   ー 5年=42%、10年=84%が生涯増額される
   ー年金を繰り下げできるように、定期収入or貯蓄を準備しよう

あるFP(非公表)の提言からの要約

実際の文章はもっと柔らかくて丁寧な表現が用いられており、一読するともっともらしい内容にも見えました。しかし私は、読み進めているうちに、「こんな人生が楽しいか? 政府やお金の奴隷になることを推奨するのか!」と猛烈に腹立たしくなり、不愉快でした。この記事を書かれたFPの方に限った話ではなく、ネットのマネー相談記事などのお金の専門家を名乗る回答者が、似た内容の提言を展開しているのをしばしば目にします。

本年度から実施されているという、金融リテラシー教育でもこんなような内容が語られているのでしょうか…… お金の心配なく長生きすることが幸せ… 長く働け… まずは貯蓄しろ… いつの時代のどんな価値観をベースにしているのか、と絶望的な気分になりました。

お金の心配しながら長生きしたいか?

真っ先に思ったのは、「人生100年時代」の捉え方への違和感です。72歳±5くらいで人生を終えることが理想の生き方と考える私は、自分が100歳まで生きることになると考えたら、心底ぞっとします。人には旬というものがあると思います。自分の出番を全うしたと達観したならば、後は潔く身を引こう、というのが私の価値観です。おそらく、誰もが100年生きられるような社会の準備が整うのは、随分先のことでしょう。その前に地球が持たない可能性も高そうです。

そして、「長生きに備える為に長く働いて収入を得る」という発想にも全面的には賛成しかねます。社会から求められる労働力やスキルは限定的です。今以上に年老いた私に、そんな社会的ニーズがあるとも思えません。社会のお役に立つ有益な行動をすることは大切ですが、望まれているのは表舞台からの退場かもしれませんし…… それに働けば税金を引かれ、収入があるからと年金をカットされるのであれば、本末転倒の事態にもなりかねません。

老後暇を持て余さない為にすべきこと

暇を持て余すので働く…… というのは、安直だと思うし、働かざるを得ないから働く人に対して失礼な気がします。人手がどうにも足りていない部門のヘルプに入るような働き方は尊敬されるべきですが、年長者が自分の暇潰しのように働くことには反対です。むしろ現役時代の間に、仕事を辞めた後、暇を持て余さないような取り組みや仕組みを、個人や社会が作っておくことの方が大切だと思います。

貯める技術より使う技術

天引きによる資産形成は王道ではありますが、投資・消費・浪費を認識せずに、目的もなくお金を貯めることが優れているとは思いません。貯めることよりも、賢明かつ有意義なお金の使い方・廻し方を学び、経験する方が、今の多くの日本人には必要だと感じます。

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Markover 50〜人生後半戦を愉しむ
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