旅の記録2021:③宇部 9/16-18
島根・山口を巡る旅の三日目、予期せぬ”おまけ”です。
宇部新川 PartⅡ
台風14号の日本列島直撃によって、昨夜(2021/9/17)予約していた羽田行きのフライトの欠航が決定してしまいました。翌日(2021/9/18)昼のフライトに変更し、宇部新川のホテルを手配しました。
観光や食事を楽しめる状況ではないので、ホテルに引き篭もっていました。テレビやネットで台風の針路を逐次チェックしつつ、酷い自然災害が起こりませんように、と祈りながら、時間を過ごしました。
今朝目覚めると、台風は和歌山県沖合まで進んでいました。カーテンを開けて、ホテルの窓から外を覗くともう雨は止んでいました。宇部興産の工場の煙突からなびく煙が、昨日とは真逆の方角になっていました。
近所のコンビニまで朝ご飯を買いに行きがてら、モニュメントが集められている真締川(まじめがわ)沿いを散策しました。台風一過で、とても静かな朝でした。予定外がなければ、絶対立ち寄ることがなかった場所です。これも運命だろうと、宇部新川を自分の記憶の引き出しにしまい込みます。
旅のまとめ
私は本来、たとえそれが不可抗力であっても、自分の立てた計画が乱されることを極度に嫌う性格です。融通が効かない、アドリブが苦手、柔軟性に欠ける、という面倒なタイプであることを自覚しています。
旅の経験を何度も積む事でトラブルに遭遇する機会も増えました。その都度対処していく中で、咄嗟の対応力はそこそこ身に着いたと思います。旅の途中に、天候不順や機体不良で予定の便が変更された経験はこれまで何度もしているので、「まあ、仕方ないよね」とすぐに修正案を捻り出すくらいの対処力、変更を受け容れる寛容性くらいは、持てるようになりました。
私が若い頃から、ありきたりの毎日を繰り返すだけの凡庸な生活を送っていて、自分の納得したことしか受け容れない頑な態度を改めず、嫌なことや避けたいことを誰か代わりに対応してもらえるような立場だったら、旅することが億劫になっていたでしょう。
予定が狂ったことを、誰かのせいにして文句を吐いているかもしれません。そんな狭量で、旅を楽しめない自分だったら、と想像するとぞっとします。
日常生活が便利になり過ぎて、ちょっとした不便に狼狽え、声を荒げたり、不平不満を言ってしまったりしがちです。特に今は制約の多い毎日を強いられているので、知らず知らずストレスが溜まりがちです。
そのような姿勢は見苦しいし、危険でもあります。不可抗力のトラブルを我慢して受け容れ、楽しめる余裕を残しておきたいものです。今回の旅はよい糧となった気がします。
旅のお伴に読んでいた本
今回旅している間に読んでいたのが、栗原康『サボる哲学 労働の未来から逃散せよ』(NHK出版新書2021)です。
資本主義も社会主義も飛び越えて、アナキズムの研究者である著者の言論は、気ままに過ごす旅の時間に読むには最適でした。常識とか、社会性とか、一旦解き放たないと、深いものは学び取れない気がしました。