魅惑のカクテル③:赤い悪魔、ジャックローズ
本日は、私のお気に入りのカクテル、ジャックローズの魅力を綴ります。
朝から体調不良
日曜日に海外出張から戻ってから、連日天気は冴えないし、時差ボケがまだ身体に残っていて、今ひとつ体調が優れない状況が続いています。今日も朝からしっくり来ず、会社に連絡して午後出勤を許してもらいました。
とはいえ、仕事を終える夕方くらいから、徐々に体調が回復してきました。長年の習慣で、仕事をこなすことによって、脳と身体が刺激を受けて活性化するのかもしれません。
体調が回復すると、バーで至福の時間を過ごしたい、至福の一杯をいただきたい、という心が発する叫びには抗えず、自分を甘やかすことにしました。まあ、いつものことです。
ジャックローズの出番です!
今日は飲みたいカクテルが決まっていました。"赤い悪魔"、ジャックローズです。 出会ってから、細く長く愛飲している大好きなカクテルです。
ジャックローズは、私がバー飲みを始めた初期の頃からオーダーをしてきました。数々の思い出のある大事なカクテルです。
一般的なレシピは以下の通りです。
・カルヴァドス 30ml
・フレッシュライムジュース 15ml
・グレナディンシロップ 15ml
フランス・ノルマンディー地方の特産であるリンゴのブランデー、カルヴァドスをベース酒に使うショートカクテルです。このカクテルが生まれたアメリカでは、カルヴァドスを「アップル・ジャック」と呼ぶことが多いので、アップルジャックで作ったバラ(ローズ)のような色合いのカクテルというのが名前の由来とされます。ライムジュースの代わりにレモンジュースを使うレシピもあります。
ジャックローズ私論
このカクテルの魅力は、鮮やかな色彩とどこかセクシーな言葉の響きです。私はカクテル名が気に入って、好きになることが多いのですが、ジャックローズはその代表格です。
最初は名前の由来を知らず、タイタニックの主人公、ジャックとローズがモチーフになってできたと誤解していました。調べてみると、意外とその歴史は古くて、20世紀初頭には、もうアメリカの酒場で飲まれていたようです。初めて行ったバーでオーダーすると、カクテルを飲み慣れている玄人っぽい感じがするのも、好きな理由です。
このカクテルは、優れたシェイク技術を持つバーテンダーが、ちょっと荒っぽくワイルドに作ると美味しい、というのが私の持論です。氷がしっかり砕かれて、カクテルの表面にうっすらと欠片が浮いているのが私が理想とするジャックローズです。
丁寧にシェイクして作られるとそれぞれが混ざり過ぎて濃厚になり過ぎるし、かといってシェイクが不十分で、混ざりきらないと調和が崩れてグレナディンシロップばかりが強く主張する浮わついた味になります。その匙加減が難しい、腕を要求されるカクテルだと考えています。
ジャックローズの切り札レシピ!
ジャックローズには飛び切り美味くなる裏レシピがあります。それは、グレナディンシロップの代わりにフレッシュな生ザクロ果汁を使うレシピです。これは本当に、本当に、最高で、元々赤い色が、更に鮮烈な赤をまとったカクテルになります。まさに【赤い悪魔】という感じになります。
このレシピで作ってもらうと、色合いだけでなく、味覚も絶品になります。初めて飲んだ時は感動のあまり、目が飛び出ました。あの時の衝撃は今でも忘れられません。以来、ザクロが市場に出回り始める晩夏から初冬に、無理を言って、フレッシュのジャックローズをお願いする機会が増えます。
今日はまだ生ザクロには早いですが、前哨戦として楽しんできます。
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