未踏県の旅2020【其の弐】佐賀 on 2020/12/18
鹿児島〜伊集院〜川内
九州の旅、二日目です。昨夜は調子に乗って、南九州最大の繁華街である天文館で飲み過ぎてしまいました。それでも気持ち早目には切り上げて、ホテルの熱い風呂に浸かってから眠ったので、朝の目覚めは思ったほど悪くありませんでした。
本日は青春18きっぷの出番です。JR鹿児島本線で北を目指します。鹿児島中央駅の改札を抜けると、6:42発の上り電車が出発直前だったので、よく確認せずに飛び乗りました。
朝の通学時間と重なったので、車内は混雑していました。乗った電車は、伊集院駅止まりでした。学生達が一斉に降りていきます。サッカー日本代表FW大迫勇也選手の母校、鹿児島城西高校はこの駅が最寄り駅のようです。
平成の市町村合併で日置市に組み込まれた伊集院は、島津氏の傍流、伊集院氏が拠点を構えた城下町です。旧伊集院町出身の著名人に、アナウンサーの有働由美子さん、シンガーソングライターの長渕剛さん(育ちは鹿児島市内)、歌手の中島美嘉さん、女優の稲森いずみさんがいます。
次の電車が来るまでの間に、ICOCAカードにチャージし、缶コーヒーを買い、移動する体制を整えていきました。次の川内行き電車も通学の高校生で満員状態でした。
川内〜新八代〜熊本
川内から八代の普通区間は、肥薩おれんじ鉄道の運営路線になるので、青春18きっぷが使えないことは事前に確認済で、知っていました。川内駅の自販機で切符を調達しようとしたら、土日限定で区間乗り降り自由の一日切符が2,000円で買えることがわかりました。
日曜日には再び、鹿児島へ戻ってくる予定になっています。新幹線と肥薩おれんじ鉄道の正規料金とでは800円くらいしか違わないので、時間のかかる肥薩おれんじ鉄道は日曜日に使えばいいかと思い、今日の川内〜新八代間の移動には奮発して、九州新幹線を使うことに決めました。
川内〜新八代間は、新幹線を使うと、わずか30分弱で走り抜けることができます。新八代駅では、熊本行きの普通電車へ連結しており、朝9時台に熊本駅に到着しました。
今晩は熊本市内のホテルに泊る予定になっています。熊本市内は四年前に来た時に、目ぼしい観光スポットは回っています。ここで移動を終えてしまっては、折角投入した乗り放題の青春18きっぷが無駄になってしまいます。そこで、これまで移動中に通過したことしかなかった準未踏県の佐賀県佐賀市を目指すことに決めました。
熊本〜久留米〜鳥栖〜佐賀
熊本駅から佐賀駅に向かう途中、久留米に立ち寄って以前から興味があった久留米ラーメンを食べることにしました。博多ラーメンの特徴である細麺と豚骨スープは久留米ラーメンが原型と聞いたことがあったからです。
久留米市の繁華街は西鉄駅の方に広がっていて、途中下車したJR久留米駅とは少し距離があります。事前にリストアップしていたラーメン店は、残念ながら休業中でしたので、JR久留米駅構内の店でいただきました。想像していたよりは脂濃くない印象でした。
久留米滞在は正味30分程でした。移動再開後、鳥栖で乗り換え待ちの間に、小倉、あるいは肥前山口(片道最長切符の起点として鉄道マニアには有名)へ行く案とも迷ったのですが、初志貫徹で佐賀に腹を決めました。
佐賀は戦国大名の龍造寺氏が城を築いた古い城下町で、肥前藩は薩長土肥の倒幕に重要な役割を果たした雄藩の一つに数えられています。幕末の藩主、鍋島直茂は名君とされており、肥前藩からは、大隈重信、江藤新平、大木喬任、副島種臣ら政府中枢で活躍した有能な人材を輩出しています。
JR佐賀駅から真っ直ぐ南に下る大通りをどんどん歩いていくと、左手に佐賀城跡が現れました。一帯は公園になっています。施設内の見学はパスして外観だけを眺め、佐嘉神社で健康と大願成就祈願の参拝をして、慌しく佐賀の街を後にしました。市内のあちこちにある銅像の写真は大量に撮りました。
佐賀〜熊本
駆け足の佐賀市内観光を切り上げ、ルートを逆に辿って、熊本へ戻ります。行きには気づかなかったものの、鳥栖駅改札の反対側には、サッカーチームサガン鳥栖のホーム、駅前不動産スタジアムの特徴的な姿が現れました。なかなかインパクトあるフォルムです。
鳥栖から熊本までは、JR鹿児島本線で約1時間半の旅です。途中筑後船小屋という小ぢんまりとした駅なのに、九州新幹線の停車駅があります。ソフトバンクホークスの練習場もあるとはいえ、やや不相応な印象でした。
調べてみると、どうやらここは自民党の古賀誠元衆議院議員、元運輸大臣の出身地のようです。”我田引水”ならぬ”我田引鉄”ということばもあるくらい、政治利権と関係が深いのが鉄道業界です。
「政治駅」の代表と揶揄されてきた東海道新幹線の岐阜羽島駅と同じ匂いがしなくもありません。岐阜羽島駅は西村京太郎の推理小説『消えた巨人軍』のトリックに使われたなあ、と思い出しました。
二日目もなんとか大きなトラブルなく、無事に終了しそうです。さあ、熊本で夕飯を楽しんできます。