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未来が過去をつくる
本日の記事は、”キング・カズ”、三浦知良氏が、日本経済新聞に連載しているエッセイで、「だまされませんよ」というタイトルのエッセイの中に出てくる『未来が過去をつくる』という考察に感動した、という話です。
日本サッカーの功労者
57歳になった現在も現役のプロサッカー選手を継続する、”キング・カズ”こと三浦知良(1967/2/27-)選手は、日本サッカー界のレジェンドです。静岡学園高校を一年で中退して渡ったブラジルで、プロサッカー選手としてデビューしました。日本に帰国し、Jリーグ発足直後の黎明期に「プロサッカー選手とは」を体現していたのがカズ選手であり、日本サッカー界の最大の功労者の一人といっても過言ではないかもしれません。
ただ、私がカズ選手の言動に注目するようになったのは、サッカー選手としての全盛期を過ぎ、引退するような年齢になっても、ひたむきにサッカーに向き合い、どんな境遇になっても一切妥協や手抜きをせずにサッカーに取り組む姿勢を見るようになってからです。そしてその頃からの彼の言動には、本気で何かに打ち込んでいるがゆえの重みが感じられるようになったと思うのです。
正直、現在57歳のカズ選手に全盛期のような輝きはないし、所属チームの多くのプレーヤーよりも、体力・技術では劣る部分が多いことでしょう。シーズンを通して、レギュラーでプレーすることは難しく、試合に出る機会も極めて限られています。そんな境遇でも、彼はいつ来るか予測できない出番に備え、常に万全の準備をしています。彼ほどの実績の持ち主であれば、過去の威光によって日本サッカー界の特別な地位に君臨することは可能な筈です。それでも、カズ選手はサッカー選手であることに拘り続けています。
彼の現役生活は、数々の栄光に包まれている一方、多くの辛酸も舐めた経験を持ちます。とりわけ、1998フランス・ワールドカップ直前での代表落選は彼にとっては最大の屈辱であり、トラウマになっていることは想像に難くありません。その数々の経験が、彼のその後の行動に影響を与え、現在の地位を形作っていることは否定できないように思います。
未来が過去を書き換える
私が、心惹かれた部分をそのまま抜粋します。
未来を生み出すものは過去の積み重ねしかなく、過去が未来をつくる。でも僕は逆も真なりと思う。いわば”未来が過去をつくる”。貧しく苦しい時期を過ごしても、後に幸福になれれば美談として語られる。昔の手痛い失敗も、今が上々なら笑い話に変わる。一方で輝かしい偉業をなした人でも、あすに事件を起こせば、その過去は一転して灰色に寂れていってしまう。
人の羨む実績や功績などは、僕に言わせれば、すぐ忘れ去られる薄っぺらいものだ。(中略)
過去が未来を約束するという発想に”だまされてはいけない”のかもね。
思わず、カズさんは凄いな…… と感動すら覚えました。私には到底真似のできない考え方であり、はっとさせられました。だから、今日を精一杯生きる…… 未知数の明日を求め、最善の努力を続ける…… その繰り返し、積み重ねでしか、抱え込んだ危機感は克服できないのだけれども、そうしていても、裏切られる時には裏切られるから、だまされてはいけない…… ということなのでしょう。カッコいいなぁ…… と思いました。
確かに、私の中で記憶が書き換えれられた経験が幾つもあり、その変化は現在の私の境遇によって大きく影響を受けています。今を必死に生きるしか、不安や不満は払拭できないのは、その通りだと思います。
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