【蟻の一穴】は怖ろしい
本日、51歳と210日目、無職になってちょうど30日目を無事に迎えることが出来ました。感謝! 本日は、【蟻の一穴】ということばを考えます。
【蟻の一穴】とは
【蟻の一穴】ということばがあります。
【千丈の堤も蟻の一穴から】【蟻の一穴、天下の破れ】といった使われ方もするようです。
【蟻の一穴】から組織は衰退する
一時、勢いがあって繁栄していた組織、無敵を誇っていた盤石のチーム、大繁盛していた小売店、完璧に造り込まれたシステムが、小さな綻びを起点に倒産・分裂・廃業・崩壊に至る事例をしばしば目にします。【蟻の一穴】は、組織や制度を統率したり、管理したりする人達に戒めを促す趣旨で使われることの多いことばです。
私の経験に照らし合わせても本当にその通りで、大きな失敗や予期していなかった挫折は、そこに至るまでに小さな綻びが幾つも潜んでいるものです。問題が飽和状態になっていった結果、最終的にほんの些細な見落としやミスが最後の一押しになって決壊し、大問題が起こっているなあと感じます。
今現在の理想的な状態を守りたい、ずっと維持していきたい、という守りの気持ちが強ければ強いほど、ネガティブ情報や悪い兆候に敏感になります。健全な状態を維持する為には、絶え間ないメンテナンスとアップデートが欠かせません。組織を束ねるリーダーは、神経が休まらない大変な仕事だなあと思います。
【蟻の一穴】を作らない対策
今の「私」にとって、転落や崩壊に繋がる【蟻の一穴】とは何でしょう……
将来深刻になりそうな問題を引き寄せないよう、生活習慣や思考回路を整えておくことです。
生活態度が乱れ始めるのは悪い兆候であり、【蟻の一穴】によって自壊してしまうことを警戒する必要がありそうです。
私の事例 人生前半戦を終わらせるきっかけとなった【蟻の一穴】
自分が停滞期に入ったことに気付いたのは、会社員生活が20年を超えた6~7年前だろうと思います。
自分の心に何か違和感が生まれていたのに、日々の業務の忙しさもあって意識的に考えないようにしていました。その後、部署異動で職場環境が変わったことを契機に、年々自己肯定感が下がり続けていきました。この間、会社員として目指すべき目標を完全に見失ってしまった状態にあり、よくない方向に進んでいることを薄々自覚していました。
自分の置かれた状態に本格的に危機感を持ち、生き方の転換が必要だと悟ったのは、2年程前です。色々考え続けて出した結論は、
でした。そう結論を固めてから、苦しさは消えました。これで良かったと心の底から思っていて、後悔はありません。でも、運気が下り坂を辿るのに耐え続ける日々は悶々として辛かったです。
人生前半戦をそれなりに機嫌よく生きていた筈の私にとって何が【蟻の一穴】だったのか……
それは、「慢心」「退屈」「傲慢」だろうと思います。
40代中盤頃から、「もう若くはないし、この先特に愉しめそうなこともないなあ……」「それなりにやりたいことはやれたかなあ……」と気持ちに弛みがありました。目先のことに全力投球していなくても何とか回せてしまう状態が続き、誤魔化し続けた結果、確実に運が逃げていきました。
この経験は、人生後半戦を歩む自分自身への強烈な戒めにしていきます。【蟻の一穴】は身近な生活の中に確実に潜んでいます。見つけた亀裂は放置せず、手早く埋める努力と工夫をしていきたいと思います。