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『ナチス第三の男』を観る

本日のnoteは映画『ナチス第三の男』を観た感想です。

偶然出会った映画

予定外の行動を選択すると思いがけない結末に見舞われること…ってありますよね?

本日は午後外出して社外会議にひとりで出席していました。その会議は予定よりも早く四時二十分頃に終わり、解散となりました。ここから会社に戻るには歩きと電車で小一時間かかります。金曜日の夕方、本日中に片付けるべき緊急案件はありません。会社には戻らず、直帰することを即決しました。これまでの積み重ねと年功で自由裁量ができる身分に感謝です。

今週は大きな案件がないにもかかわらず、気疲れの多い一週間だったので、軽い解放感を感じました。今週は月水木と休肝日を確保していたので、普段は飲まない金曜日だけど銀座のバーで軽く飲るか‥と外出先の最寄駅から、地下鉄千代田線に乗りました。

地下鉄・日比谷駅を降りて階段を上り、日比谷シャンテの前を通って銀座方面に抜けようとしていた時に目に入ったのが、この『ナチス第三の男』という映画でした。上映時間も17:10-19:10と丁度いい‥ これは運命の出会いだろうと確信して、あっさり予定を変更し、チケットを買いました。

先日、『ライ麦畑の反逆者』を観たのもこちらのTOHOシネマズでしたし、私の嗜好に合う映画を上映してくれるので、昔からよくきた映画館です。コーヒーを買って、指定席へ。

ヘビィだ…

そして観終わった後の正直な感想はというと…『これは(解放感を楽しみたい)金曜日の夜には重過ぎる(too heavy)‥』というものでした。これは超絶ヘビィな内容です。

題名の『ナチス第三の男』とは、SS(ナチス親衛隊)を率いたハインリッヒ・ヒムラーのNo.2であったラインハルト・ハイドリヒという男です。その人となりも、歴史的位置付けも、エンスラポイド作戦(彼が暗殺された事件)も知らない白紙状態で画面に向かいました。

映像にはかなりの衝撃を受けました。ナチス兵士が市民を事務的に殺戮していくシーンは全く直視できず、途中から早く終わってくれと祈りながら、席に座っていました。

ストーリーの種明かしになりますが、主人公ハイドリヒの生涯を描く裏側で、エンスラポイド作戦を決行した側の人間達のストーリーも時間差で展開されていきます。これもまたかなりグロくて、残虐なシーンには何度も眼を瞑りました。

将来起こり得る不都合な現実とどう向き合うか

この映画を、欧州史に詳しくない人が事前の知識なしに観たら、ナチス親衛隊に対する憎悪と嫌悪感は増幅されると思います。戦争は狂気です。殺るか、殺られるか、正気では生き残ることは叶わない世界です。通常の精神状態ではとても戦場に立てません。そういう環境に身を置いた時の人間の狂気、異常さを直視させられました。

ナチスの残虐行為の数々をストレートに見せることが、この映画の狙いの一つかもしれないので、プロパガンダが潜んでいるのかもしれません。(イギリス・ベルギー・フランスの共同制作) その点は、割り引いて考えるべきかもしれません。

毎日『幸せ』に過ごすこと以外に興味が沸かない私のようなタイプの人には、この映画は積極的にお奨め出来ません。こういうことをやってしまうのが人間という生き物なんだと知っておくことから逃げない勇気のある方は、是非映画館へ足を運んで、感じてみて下さい。

人の命は、重くも、軽くも扱うことは可能です。これから先も形は違えど確実に起こる可能性のある話だと思います。

さて、アルコール消毒しよ‥

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