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金曜の夜と土曜の朝

最初に種明かしをしておきます。本日のタイトルは、イギリスの小説家で、イギリス労働者階級の怒りの代弁者だったアラン・シリトーの「土曜の夜と日曜の朝」からの引用(パクり?)です。


会社員が休前日の夜と休当日の朝に浸る解放感

小説『土曜の夜と日曜の朝』の舞台は、1950年代中頃のイギリスです。この頃は、先進国でもまだ週休二日労働制は定着していなかったでしょう。工場労働者として働く若者達にとって、仕事休みは日曜日だけで、土曜日の夜は、解放感に包まれる待ちに待った瞬間だったことでしょう。

当時の土曜日の夜には、若者達がビール片手に地元のサッカーチームの試合で大騒ぎする光景がイギリス全土でみられたのだろうと想像します。スタジアムは、一週間の長くて辛い肉体労働から解放されたエネルギーが爆発する場所です。後に世界中で有名になるフーリガン現象の原型でしょう。

会社員になってしばらくすると、金曜日の夜から土曜日の朝にかけての解放感と高揚感には特別なものがあると気付きました。金曜夜の仕事を終えた後は、5日間目一杯働いてきて精神的に張っていたものを、一気に弛める特別な瞬間でした。

当時は、バブル景気の浮かれた空気がまだうっすらと世の中を覆っていたので、金曜日の夜の繫華街には羽振りの良さそうな人も少なくありませんでした。深夜になれば、至る所で、タクシー待ちの大行列ができていました。

休日夜の過ごし方

時は流れて……
今では金曜日の夜を心待ちにすることもなく、街へ繰り出して羽目を外して遊びまくることも、ほぼほぼなくなりました。

金曜日の夜は心を整えるための時間です。土曜日の朝は、気分良く目覚めてシャワーを浴び、清々しい気分でコーヒーを飲む時間になりました。今日も理想的な流れで一日が始まりました。

体力が衰えてきたせいか、燃費が悪く、肉体的、精神的ストレスへの耐力は確実に衰えています。心身の状態を健全に保つためには、精神的に安息の時間をどれだけこまめに確保できるかが非常に重要になりました。これだけは周囲の評価ではなく、自分自身の感覚を信じて、調整していく必要があると思っています。

休養不足、リフレッシュ不足で心身のバランスを欠き、周囲と無意味な衝突を引き起こさないように注意を払っていきたいと思います。土曜日に最高の朝を迎えられるかどうかは、金曜日の夜をいかに過ごすかにかかっていますので、仕事以上に手抜きができません。

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