文章構成法についてのメモ
本日のnoteでは、代表的な文書構成法についてのメモを残しておきたいと思います。noteを書き始めてもう3年近くなりますが、文章構成法については殆ど意識せずに書き散らかしてきました。
以下の内容は、プロの書き手であれば、当然知っているであろう理論ばかりでしょう。私が後で復習し、補足・肉付け・掘り下げをしていく前提で簡単にエッセンスだけを羅列しておこうと思います。
序破急(三段構成)
序破急とは、元々日本の雅楽の舞楽から出た概念で、日本では中近世以降、能、浄瑠璃、歌舞伎等の伝統芸能に用いられてきた脚本構成方法です。世阿弥の名著『風姿花伝』でも言及されている手法です。
雅楽は、
「序」…無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由演奏「破」…拍子が加わる
「急」…加速する
で構成されます。序破急の一組で楽式(西洋音楽における楽章)とも考えることもできます。
映像分野の脚本構成においても、序破急と同義語とも考えられる三幕構成が国際的に主流となっています。英語の一般的な論理的文章構成の、パラグラフ・ライティング ~「主張」「根拠」「主張」 の三部構成~ とも符合すると言われます。
三幕構成(Three-act structure)
映画や演劇などの脚本の構成方法として知られます。三幕構成のストーリーは3つの幕 (部分) に分かれていて、①設定 (Set-up)、②対立 /衝突(Confrontation)、③解決(Resolution) の役割を持ちます。3つの幕の分量比は1:2:1になります。
それぞれの幕と幕は、主人公に行動を起こさせ、ストーリーを異なる方向へ転換させる出来事(ターニング・ポイント)で繋がっています。多くの作品で採用されている手法です。
三幕構成の枠組は、映画には共通して見られる基礎的手法であったもので、1979年にシド・フィールド(Syd Field, 1935/12/19-2013/11/17)の著作、『シド・フィールドの脚本術 Screenplay: The Foundations of Screenwriting』で理論化されたと言われます。
起承転結(四段構成法)
元々は、四行(起句、承句、転句、結句)から成る漢詩(近体詩)の絶句の構成を指します。
私が初等教育で一般的な文章構成手法として習った馴染み深いものですが、論理的ではなく、国際的には一般的手法ではないとされます。
● 起:事実や出来事を提起する
● 承: 『起』の解説、問題点の提示、感想、意見 など展開する
● 転: 『起承』とは関係のない別の事案を提起する
● 結: 全体を関連づけて締め括る
IMRAD
IMRAD型文章とは、文章の骨格部が、導入(Introduction)、研究方法( Methods)、実験結果(Results)、考察(Discussion)の4つの部分に分かれることを特徴とします。それぞれの頭文字、Introduction, Methods, Results And Discussionの略に因みます。
IMRAD型の文書は、科学的方法に基づいた推論を記述・検証するのに適しているため、学術論文でよく使われる傾向にあります。
● 何を研究したのか?/何故それを研究したのか?(I)
● 何をしたのか?(M)
● 何がわかったのか?(R)
● それは何を意味するのか?(D)
Five-paragraph essay
Five-paragraph essayは、Introduction+Bodyx3+Conclusionの5つのパラグラフから構成される文章です。米国初等教育では、ライティングのフレームワークとして採用されていて、私も語学留学時に何度も書かされた英文エッセイは、必ずこの構成で書くよう指導されました。別名、hamburger essay、one three one、a three-tier essayとも呼ばれるようです。
典型的には以下のような章立てになります。
● Introduction(緒言):
テーマ、トピックの概要、及び 話題への導入、主張/主題を紹介する
● Body 1: Narration(予告):
トピック、主張/主題に対し、読者の関心を向けるような背景となる先行文献を紹介したり、このエッセーの外観(overview)を示したりする
● Body 2: Affirmation (肯定):
主張を支持する証拠、引用を紹介する
● Body 3: Negation(否定):
主張に不利な証拠を挙げ、「反論」または「譲歩」のいずれかを行う
● Conclusion (総括):
展開してきた議論をまとめ(Wrap-up)、関連する問題やより大きな問題との関係を示す。