移動することで活力を貰う+会社経費についての私見
本日のnoteは、毎週日曜日恒例の息子との電車旅の合間を縫って『移動することで活力を貰う』というテーマで書いてみます。
日曜日の約束事
毎週日曜日は、息子と電車に乗ります。息子は電車に乗るのが大好きで、行き先は息子が決め、私は同行する付き人のようなものです。息子にとって、目的地はあまり重要ではありません。お目当ての電車に乗って、ドアの開閉や駅名を確認することで満足なのです。
私にとっては、息子と同じ時間を共有し、思い出を作る貴重なひと時です。息子が私に頼み事をしてくるのはこの時くらいです。私は息子に親からの期待など背負わせたくありません。
週に一度、彼の好きなことに付き合えるのは、相手から求められる機会がすっかりなくなった私にとって、ささやかに自尊心を保てる瞬間です。
移動好きの血
私は昔から『ここからどこかへ移動する』ことが好きです。息子は私のその血を確実に受け継いでいるようです。息子が電車の窓から外を眺めている姿を見ているだけで、嬉しい気持ちになります。
一箇所にじっくりと腰を落ち着けて、地道に取り組むことも嫌いではないし、不得意でもありません。でも、同じ状況での静止状態が長く続くと、感性や行動力や発想力が衰えて、澱んでいく気持ち悪さを感じます。それは嫌な感覚です。加えて先に展望が見えない状況だと気分は最悪です。
澱みを撹拌し、固着するのを防いでくれるのが、物理的に移動することです。移動手段は、徒歩でも、自転車でも、電車でも、バスでも、飛行機でも、構わないのです。或る地点から或る地点への移動中に起こる思考の流れや変化を楽しみたい性質なのだと分析しています。
移動しないことによる弊害
会社を辞めて自分の自由に使える時間を確保できた途端に、自由に移動することへの制約がかかる世の中が到来してしまいました。これは予想外でしたし、私にはストレスでした。溜まったエネルギーが発散されず、無駄に内部に貯蓄され続けているのは気持ち悪いものです。
会社勤めの友人に聞くと、この影響で「不要不急の出張自粛」が打ち出された結果、出張は極端に減り、会社の出張経費総額が驚くほど激減したそうです。『なんだ、出張にいかなくても仕事まわるじゃん』という評価に落ち着き、今後出張経費の大幅削減に舵が切られることは確実なのだそうです。
役職者中心に形式的な出張、費用対効果の怪しい出張があったことは事実でしょう。ただ、成長途上の若手社員にとっては、対面コミュニケーションと移動機会の減少は、スキル向上と人脈構築と活力を押し下げる方向に作用する気がします。古臭い意見かもしれませんが…
「新しい働き方に順応出来ない社員が悪い」と言う意見も多いでしょうが、会社が社員に成果を出したり、成長を促すための経費を使わない、投資しないことの副作用は将来じわじわ効いてくるのではないでしょうか。
接待交際費に関する私見
ここから、接待交際費へと逸脱します…
だいぶ前から槍玉に上がっていた、交際接待費の私的使用は最近余り聞かれなくなりました。社用族御用達の飲食店やゴルフ場は顧客層を失いました。社員は接待費を使えないので、身の丈にあった店に通うことになりました。結構で健全な結末なのかもしれません。
ただ、高級店や豪奢な場所にはそれ相応の理由があり、気付きはあります。私は、会社員は会社の接待交際費を使ってそういう場で飲み食いする行為って、一度は経験する価値があるという意見です。
会社から託されたお金で、相手を満足させる緊張感の経験を積んだ有無は大きいものです。失敗しても致命傷にならない数万円程度で、ビジネス経験の少ない若手に接待の場を経験させるのは会社経費として許容できる出費だと思うのですがどうでしょう?
接待交際費を使う感覚が麻痺して、中毒化、私物化してしまう人はいます。ただ接待交際費のその暗部だけを切り取るのはフェアではないと思います。
接待交際費を使う経験が減ると、社員の格差は拡大するでしょう。経験に自己投資する人と、自己投資しない人/できない人にわかれるからです。新自由主義的な少数精鋭礼賛主義の会社ばかりになっていきそうです。
ある意味、お金を貯め込むだけで、使うのが下手な人が増えたり、下流階層の固定化が進むのは、上級経験のできる機会の間口がどんどん閉じられているのも一因のように思います。
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