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金曜日の随筆:やっぱり脇役がいい
また運命を動かしていく金曜日がやってきました。2022年のWK8、如月の参です。本日は、『やっぱり脇役がいい』という人生後半戦を生きる上での私のスタンスを整理しておこうと思います。
今週の格言・名言《2022/2/14-20》
Your excitement can be found in the realm of emotions.
あなたのワクワクは、感情の世界にある。
Optimism is the faith that leads to achievement.
希望は人を成功に導く信仰である。
ヘレン・ケラー 教育家/アメリカ
名脇役、甲本雅裕さんの主演映画『高津川』
主に脇役で個性的な役柄を演じてきた俳優、甲本雅裕さん初の主演映画『高津川』(錦織良成監督)が、2022年2月11日から全国公開されています。残念ながら松本近郊の映画館では上映されていないため、観られない可能性が高いのですが、なかなか評判は良いようです。
劇団役者から叩き上げた確かな演技力で、多彩な役を演じてきた甲本雅裕さんは、好きな役者のひとりです。雰囲気がいいのです。実直な役をやっても、ちょっとクレージーな役をやっても安定感があり、周囲の役者の演技や作品の世界観と見事に調和します。THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWS、ザ・クロマニヨンズ等で活躍の甲本ヒロトさんは実兄にあたります。
甲本雅裕さんは、インタビューでこの映画の主人公、学をあえて感情を見せないことを意識して演じたと語っています。
「お客さんがそれぞれ感情をつかみ取ってくれる。娯楽は自由なものですから、100人いたら100通りの感じ方があります。僕がお客さんの代表になってはいけない。そういう意味では、監督が見せようとしているものと見る人との橋渡しができたと思っています」
脇役の意味
役者の世界を選んだことも、新型コロナウイルスの流行で、エンタメ業界が大きな打撃を受けたことも冷静に受け止め、達観しています。
「役者に楽じゃないことがつきまとうのは当たり前です。だって、やってること自体が楽しいんだから、それ以外のことが楽なはずがない。好きでやってるんだから、苦労もしたことはありません。お金がなくて、ご飯が食べられなかっただけですよ」
カッコいい生き様です。与えられた役に求められる演技を自ら考え抜いて、全力で演じる生き方をしてきた人なのだと思いました。主役を演じ、苦しんだことで、これまで演じてきた脇役の意味も捉え直せたようです。
自分は脇役がいい
甲本さんに限らず、ドラマや映画でコンスタントに脇役を演じている役者さんに惹かれます。作品は、脇役の存在感で引き締まります。自分も、コンスタントに求められる脇役を演じたいなあ、と思う部分が強くあります。
主役が背負うべき注目や義務や責任は、私のような覚悟の乏しい人間には重荷です。誰からも注目も感謝もされない時は少々寂しいと感じることもありますが、それでも組織の中では味のある脇役でありたいなあ、と思います。
現実問題として、私はこの社会で主役の役割を演じられる可能性は最早ないし、脇役を全力でこなす以外に生き残る術がありません。脇役を期待されることをベースに人生を設計し、その生き方を好きになり、得意になるしかありません。
公の場では、自然にその場に馴染めるように研鑽を重ねていこうと思います。脇役は周囲から一定の信頼を得ていることが大切です。「細かいことはよくわからないが、あいつに任せておけば間違いない」という信頼です。少ない機会を着実に活かして、結果を出していける職人芸を磨いていこうと思います。
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