師走の静かな夜
2024年も、後2週間余りです。私は、クリスマス当日を迎えるまでの、何となくふわふわしていて落ち着かないこの時期の空気感が好きです。クリスマスを迎えると急に慌ただしくなり、その後は師走よろしく一目散に時間が過ぎ去っていく印象に変わりますが、その直前のこの時期は、ゆったりと時間が滞留している感覚があります。本日はそんな瞬間を切り取った『師走の静かな夜』と題した日記を残します。
有り余る時間を贅沢に使う
朝から寒さを感じる一日でした。暖まるものを身体が欲している気がしたので、帰宅途中に外食で済ませ、部屋に戻って来ました。着替えをし、お湯を沸かしている間に、朝出発前に回しておいた洗濯機から洗濯物を取り出し、風呂場に干しました。沸いたお湯でドリップコーヒーを淹れ、椅子に深く座り、ふぅと息を吐きます。目の前にあるラップトップパソコンを開き、ルーティン作業をこなしていきます。この一連のルーティーンは好きです。
最初に簡単な検索作業を済ませて、貯めているMSNのポイントを加算し、FXの為替レートを確認します。今日は取引できそうな地合いではなさそうなので、見送りです。昨日は結構本を読んだので、今日はじっくり読書する気分ではありませんでした。そうなると、TVerかYouTubeで動画を観るか、Spotifyで音楽を聴くか、はたまた自堕落にスマホゲームに没頭するか、という選択肢になります。結局、全部のオプションを少しづつ齧っていったら、夜8時半をまわっていました。
横浜の自宅とテレビ電話を繋ぎ、妻と年末年始の予定の相談をします。画面い映り込んだ息子は、学校帰りに散髪にいったらしく、昭和の子どものように髪が短く刈り込まれていました。
静かな夜、ささやかな幸せ
今夜もよくある日常です。気に入っている音楽を聴き、気になっている動画を観て、熱いコーヒーを飲んで、静かに時間が過ぎていきます。私の暮らすアパートの部屋は、メインの通りからは少し離れた住宅街の中にあります。道を走るクルマの音は殆ど聞こえないし、周囲の家から漏れて来る生活音に邪魔されることもありません。
一時の住処と思って入居したこの部屋での生活も、はや3年が過ぎました。普段は全く意識していないものの、非常に恵まれた環境の中で、暮らせていることを再認識します。何の縁も無かった松本に来て、心穏やかに暮らしていける幸運…… 何とも、不思議な思いがします。10年前の私の人生計画には影も形も無かったことを、経験できています。
気楽な単身赴任を楽しむ反面、妻・息子と離れて暮らしていることを寂しく思う時も、当然あります。基本的には、家族は同じ一つ屋根の下で暮らすのが幸せ、と思っています。しかし、離れて暮らしていても、今の家族関係は極めて良好です。私の表情は首都圏でのサラリーマン時代とは比べ物にならないくらい柔和になり、あらゆる面で鷹揚で余裕のある状態になったと思っています。自分が快適だ、理想だ、と感じる状態を追い求める努力は怠ることなく追求していきたい、と思った夜でした。