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最後の絞り出しで結果は変わる

本日は、掛け声倒れになりそうな気もしますが、霜月の月初ですし、威勢のよいテーマで考えてみたいと思います。

選挙から一夜明けて

行方を注目していた衆議院議員選挙(改選465議席)は、自由民主党が前回の地滑り的勝利からは議席数を減らしたものの、単独過半数の261議席を確保しました。苦戦を予想し、『政権選択選挙なので、与党で過半数議席確保ならば勝利』とやや弱気なコメントをしていた岸田総裁も、この上々の結果には満足そうです。

とはいえ、小選挙区では、神奈川13区で幹事長の甘利明氏(比例復活)が、東京8区で石原伸晃氏(落選)、香川1区で平井卓也氏(比例復活)、徳島1区で後藤田正純氏(比例復活)、熊本2区で野田毅氏(落選)ら、知名度と実績のある議員が敗北を喫しています。甘利氏は責任を自覚し、就任したばかりの幹事長の辞任を表明しています。

選挙協力で団結した野党連合は、躍進を予想されていたものの、大敗と言ってもよい程の凋落ぶりでした。立憲民主党は、前回の109議席から96議席へと転落し、共産党も2減の10議席です。左派に寄り過ぎた論調と、過去の民主党政権時代のパフォーマンスに不安を覚えた有権者も多かったのではないかという気がします。

反自民の受け皿になった格好の日本維新の会が41議席(前回11)と躍進し、国民民主党が11議席(前回8)、れいわ新選組が3議席(前回1)とわずかに増やしました。

ラストスパート前の踏ん張り所

本題に入るまでの助走が長くなり過ぎました。本日は長距離レースの解説でも語られることがある「最後の絞り出し」という表現から考えてみます。これはレースも後半になって、残り1~2㎞位の最も苦しくなってきた状況下で、あとひと踏ん張りするよう鼓舞する目的でかけられることばです。

ゴールが見えた最後の最後までくると、無心で力を振り絞れるものですが、勢いだけで走り切れない程度の距離を残した場面で、勢いよくペースアップできる選手は本当に強い選手です。ここまで快調に走ってきた選手も、今一つ波に乗り切れないできた選手も、ギアを切り換えられるかどうかで、簡単にタイムが違ってきます。

苦しいタイミングで、いかに粘れるかは、蓄えてきた実力以上に絶対にやってやるという気力がものをいいます。根性とか、気迫とか、精神論に偏ったことばは好きではありませんが、ギリギリの勝負では、気力の差が結果を左右する、のは真実だろうという気はします。

絞り出せない私を鼓舞する

私は、気迫を剥き出しにして必死に絞り出すことができないタイプでした。特に終盤の踏ん張り所で、つい醒めた気持ちが前面に出てしまって、粘りが効かず、諦めてしまいがちでした。自分を超える闘いができない自分…… そして、それを自分で許してきました。

今、この御時世にそういう態度は禁物です。悲壮感を漂わせるのではなく、明るく踏ん張り続ける、気持ちを切らさない、最後まで諦めない、と言い聞かせながら、勝負所を走っているような気がしています。緊張感のある日々には、よい疲れと充実感があります。その幸せを噛み締めながら、2021年の後半を走り抜けたいと思います。


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