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『成幸者』を目指して歩く

本日は、『成幸者』という聞き慣れないことばから、考えたことを膨らませて記事にしてみます。

松本から横浜へ

今朝の高速バスで、松本から横浜へと帰ってきました。中央高速道路には殆ど雪はなく、東京に入ってから新宿バスタまでの区間で交通集中による軽い渋滞はありましたが、特に大きな支障はなく着きました。最近の私は、エネルギー放電過剰状態になっていた気がするので、この週末は充電タイムを確保する予定です。明日の夕刻ぎりぎりまで、家族との時間を楽しみます。

リッツ・カールトン元日本支社長の高野登氏の著作より

本日の考察に選んだことば、『成幸者』は、高速バスの中で読んでいた、高野登『あえて、つながらない生きかた』(ポプラ新書2014)で遭遇したことばでした。

そのトラックでは、ホテルマン時代に出会った「成幸者」たちが穏やかな表情で談笑しながらゆったりと歩いていました。
P130

著者の高野登氏(1953‐)は、20歳で単身米国に渡り、ホテルマンとして、数々の有名ホテルでキャリアを積み重ね、世界最高峰のサービスで知られるリッツカールトンホテルの日本支社長を務めた人物です。退任後は、「極上のサービス体現者」として、今も講演活動や評論活動を行っており、著作も多数あります。

私は高野氏を本書で知りました。主張に説得力があり、すんなりと読める内容でした。抜き出した「成幸者」以外のくだりにも、共感できる価値観が多く散りばめられていて、気になる表現箇所に貼る付箋で一杯になりました。「成幸者」は、氏の造語でしょうか? なかなか粋なことばです。高野氏は、長野県戸隠村の出身で、信州生活中の私はそこにも興味を惹かれました。

成幸者≒求道者

私は、「成幸者」を「求道者」と読み替えて理解してもいいのかな、と感じました。高野氏は、他人の役に立つことこそが仕事の本質であり、人に尽くすことの尊さを疑いなく語ります。私には、人を信じること、人に尽くすことへの、一抹の疑念があるので、素直な気持ちで受け取れない部分があったのは事実です。常に利他的であることは、私には難しい課題です。

しかし、世間一般で評価される「成功」を目指さず、自分の定めた信念に真摯に向き合って、自らを高めていくことが大切、という考え方には共感できます。私は、人にサービスするよりも、サービスされたい方の人間なので、立場や立ち位置は違うものの、大切な理念が語られているなあと没入しながら、頁をめくりました。読み進めるうちに頭に思い浮かんだのが、求道者であれ、というメッセージでした。

求道者という表現は、多義語なので、迂闊に使うと誤解を免れません。おそらく語法としては間違っているでしょう。ただ、成幸も求道とは、自らの意思次第という点は共通するのではないかと思います。

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