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イチローの現役引退

ひとつの時代が終わる瞬間に立ち会えた喜び

今日のnoteは、イチロー選手の現役引退に触れない訳にはいきません。昨夜、2019年3月21日は、東京ドームでの現役最後の試合、全打席、試合後の記者会見と深夜までずっとテレビで観続けました。

東京ドームを埋め尽くしたファンからの大声援を受け、万雷の拍手を浴びながら、チームメイトとハグをし、ベンチに下がっていく瞬間には、思わず涙しました。日米の野球界にとって特別な存在だったイチロー選手の最後に相応しい晴れ舞台だったと思います。

大袈裟ではなく、イチロー選手の現役引退は、平成とともに一つの時代が確実に終わるんだなあ、としみじみ感じた瞬間でした。

改めてイチロー選手の野球人としての記録を調べてみて驚きました。日米通算4257安打を記録した不世出の大打者が爽やかにバットを置く瞬間に、生で立ち会えたのは幸運だったとしか言いようがありません。

イチローは特別な選手

イチロー選手の走攻守に卓越した能力、野球に対する真摯な姿勢、結果を出し続けてきたプロ魂を尊敬しています。私はイチロー選手には不思議な縁を感じていて、特別に親近感を持ってその活躍を見てきました。

大学時代を過ごした思い入れの深い神戸を襲った1995年の阪神大震災。その復興のシンボルの一つだったのが、神戸を本拠地とするオリックスの1995年シーズンの快進撃であり、中心選手であるイチロー選手の活躍でした。イチロー選手が、米国に拠点を移した今でも、神戸に特別な愛着を持って接してくれていることを嬉しく思う一人です。

また、イチロー選手がMLBに挑戦した2001年は、私が会社の制度で米国留学させてもらった年でもあります。MLBでは通用しないのではないかという戦前の予想を覆して、開幕から結果を残し続け、その年のオールスターゲームに選出されました。

その試合、私は、クリーブランドのホームステイ先でテレビ観戦をしていました。試合前の米国歌斉唱の後、「イチロー・スズキ」とコールされた瞬間と試合が始まって、ナショナルリーグ先発の怪腕、ランディ・ジョンソンから、初回一塁強襲の内野安打を放って一塁ベース上に立った瞬間のことは、今でも鮮明に記憶しています。慣れない異国の地で、日本から来たスターが米国でも活躍する姿が、英語がなかなか上達せず、凹んでいた自分にとってどれだけ勇気を与えてくれたかわかりません。

感銘しかなかった引退会見

深夜に行われた引退会見は、最初から最後までテレビのライブ中継で観ました。イチロー選手らしいものでした。

野球人生で、一番誇りに思うことを問われた時、昨年5月、試合に出られない状態になってから、昨日までの準備の日々には誇りを持っている、と口にしました。栄光に包まれてきた大スターが、試合に出られない環境で前向きに過ごせるというのは、本当に凄いことだったと思います。傍目には想像できないような葛藤の日々があったと想像します。

イチロー選手は野球選手として、数々の偉業を成し遂げたレジェンドではあるのですが、全盛期を過ぎてベテランの域に達し、チームを転々とするようになってからのプロフェッショナルな振舞いが、彼の野球人としての評価・名声以上に、人間、鈴木一朗の価値を一層高めていたような気がしています。

現役引退後のこれから、どのようにな方面で、どのような活動をされていくのか、本当に楽しみです。

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