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好きな楽曲:セプテンバー
自宅待機期間の七日目。本日が最終日で任期完了です。本日取り上げる”好きな楽曲”は、アース、ウインド&ファイヤー Earth, Wind & Fire『セプテンバー September』(1978)です。あぁ~ あれかぁ~ と思わず半笑いで唸ってしまう不朽の名曲です。
衝撃体験
全く予期しないタイミングで流れてきた冒頭のメロディー一発でノックダウンされてしまう楽曲がごく稀にあります。この『セプテンバー』は、そんな経験の中でも、トップクラスに衝撃的な体験でした。
出会いは、洋楽ロックを聴き始めた中学時代の頃に遡ります。土曜日の午後3時から6時まで、主にリスナーからのリクエストで構成される『FMリクエストアワー トアロードで逢いましょう』というNHK‐FM神戸放送局の番組がありました。まだ、「トアロードってどういう意味なんだろう?」という田舎の世間知らずの少年でした。この謎が解けるのは、神戸を主戦場とするようになった大学時代です。
土曜日の午後は、普通ならば部活動をやっていた筈なので、その日はたまたま休みだったのか、体調不良で休んでいたのか、なぜ家にいたのかは思い出せません。
番組後半に特集アーティストのコーナーがあり、その日はアース・ウインド&ファイヤー(以下EW&F)でした。そこで2曲目か、3曲目にかかったのが、『セプテンバー』でした。以来、あの印象的なイントロが忘れられなくなっています。
続けざまに、MTVで観たビデオもインパクト絶大でした。
私の幼少時代、サンテレビで放送されていて、夢中で観ていたアニメ番組『スーパー・スリー』のバラバラのマイト(愛川欽也が吹き替えを担当)が着ているような服を着た男達が、歌い、踊り、演奏するビデオにも魅せられました。「大人になるって楽しそうだな……」と真剣に思ったものです。
奇才、モーリス・ホワイト
1969年に、モーリス・ホワイト( Maurice White 1941/12/19-2016/2/4)によってシカゴで結成されたソルティ・ペパーズというバンドが、1970年に活動拠点をロサンゼルスに移し、改名してEW&Fとしてデビューします。
バンドは一時解散するものの、1972年に若くて才能溢れるフィリップ・ベイリー(Philip Bailey 1951/5/8- )が加入すると、モーリスとの強力なツインボーカルを看板に、EW&Fはクロスオーバーサウンドの代表的なバンドとなっていきます。
1975年発売の『暗黒への挑戦 That's the Way of the World』が全米チャートNo.1を獲得し、EW&Fの快進撃は始まっていきます。日本でもお馴染みの『宇宙のファンタジー Fantasy』など名曲を次々と発表していきました。
私は、EW&Fはモーリス・ホワイトのバンドであり、彼がエースで四番でキャプテンで監督という立ち位置だと理解しています。1970年代に、あのサウンドを実現していた音楽センスと技術力には脱帽です。
ディスコの代表曲
『セプテンバー』は、ディスコ全盛時代を語る上で、絶対に外せない一曲だろうと思います。私自身は、ディスコで踊り狂うような経験はしていませんが、人生で初めて足を踏み入れたディスコ ~神戸の北野坂の麓にあったKing & Queen~ では、この曲が流れた瞬間に、箱の空気が一変したことを今でも鮮明に覚えています。
また、クルマの運転中にこの曲のイントロを聴くと、どんなに落ち込んでいたり、疲れていたりしても、背筋がしゃんと伸びる麻薬のような楽曲です。聴いている時は、不思議といつも表情が緩み、半笑いになっているのが自分でもわかります。Let’s Party! みたいなノリを携えたこの曲に救われた夜は数知れずです。永遠に語り継がれる名曲である、と思っています。
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