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魅惑のカクテル⑨:夏の始まりと終わりにテキーラサンライズ

毎日暑い日が続いています。本日は久々に私の真骨頂であるカクテルについての記事です。魅惑のカクテル第9回は、夏が来ると飲みたくなるテキーラサンライズです。エピソード盛り盛りで、色々な角度から語れる思い出のカクテルの一つです。

出会いは大学生の頃

初めてこのカクテルを飲んだのは、お店ではなく大学四年生の秋、友人の下宿でした。メキシコ旅行から帰ってきたゼミ友が、お土産にメキシコ名産のテキーラを買って帰ってきたので、同じくゼミ友の下宿に集合して、飲み会を開きました。

まだ、残暑が残っていて、最初はビールで乾杯し、料理を食べながら、メキシコ旅行の土産話を聞いて盛り上がっていました。いよいよテキーラ(ブランドは忘れました)を開けることにしましたが、皆それ程酒が強い訳ではないので、ジュース割りやジンジャエール割りにすることにしました。誰かが、「オレンジジュースで割ると"テキーラサンライズ"というカクテルになる」という話をしたので、ではそれでいこう! ということになました。なぜか、紅いグレナデンシロップまであり、美味い、美味い、とグイグイ飲んでいたら、立ち上がれないくらい酔っ払いました。細部は間違っている可能性が大ですが、これがテキーラサンライズとの出会いだったことは間違いないです。

テキーラサンライズ

【テキーラサンライズ】
テキーラ 45ml
オレンジジュース 90ml
グレナデンシロップ 2tsps.

テキーラサンライズのレシピ

伝道師はミック・ジャガー

これはあまりにも有名なエピソードですが、テキーラサンライズを世界的に有名なカクテルに仕立て上げた立役者は、ローリング・ストーンズのボーカリスト、ミック・ジャガーです。

このカクテル自体は、比較的古くから飲まれていたようです。テキーラとオレンジジュースの相性は抜群なので、美味いと思っていた人はそれまでにも多数いた筈です。1972年のメキシコツアー中にこのカクテルに出会ったミック・ジャガーもその中の一人でした。世界的な大スターが絶賛し、愛飲したことが知れ渡ると、絶大な宣伝効果になって瞬く間に世界中に広まり、鮮やかなオレンジとレッドのカクテルは人気カクテルとなりました。ただ、現在の世界的知名度と人気は、カクテル自体が頗る美味であったという大前提があってのことです。

また、イーグルスの1973年発売のアルバム『ならず者 Desperado』に収録された『テキーラ・サンライズ』も、このカクテルの世界的普及に一役買っていることは間違いありません。

思い出は蓄積する

夏が来ると飲みたくなるカクテルです。ビーチで海を見ながら飲みたくなるカクテルです。バーカウンターで軽い気持ちで飲みたくなるカクテルです。夏のはじまり、夏の終わり、節目を感じた時に思い出し、今も飲み続けています。出会いから30年以上経つ、私の旧友です。

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Markover 50〜人生後半戦を愉しむ
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