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【続】言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法 ③ 大国主神の御神徳を仰ぐ幽冥神語

日本人は古から言葉には霊力が宿り、「良い言葉は吉事を招き、悪い言葉は凶事を招く」と信じて来ました。

言葉の「言」とは「事」であり、言葉として発すれば全てそれが現実に起こると考えたのです。

こうした言葉による働きを「言霊(ことだま)」と呼んでいました。

神威を発動させ、罪や穢れを祓う神秘的な呪言「神咒(かじり)」の数々をご紹介して来た、『言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法』。

ご好評につき、『【続】言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法』として、これまで掲載しきれなかった神咒を、ご紹介してまいります。


幽冥神語

幽冥神語の「神語(しんご)」とは、「幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)守給幸給(まもりたまえさきはえたまえ)」の唱詞(となえことば)を指します。

それでは、「幸魂奇魂」とは何でしょうか。

神道において、神様の御霊(直毘神・なおびのかみ)は、「荒魂(あらたま・あらみたま)」と「和魂(にぎたま・にぎみたま)」の二つの側面に分けられます。

「荒魂」は、「荒ぶる神」と形容されることもあるように、神様の荒々しく、活発的な側面を表しています。「和魂」は、柔和で平和的、調和的な側面を表しています。

同一の神様でも、荒魂と和魂の両面をもち、神社で祀られる場合も、それぞれ異なる神名がつけられていたり、別々に祀られている場合もあります。

【例】
豊受大神宮(伊勢神宮・外宮)御祭神:豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)
豊受大神宮・境内別宮 多賀宮 御祭神:豊受大御神荒魂(トヨウケノオオミカミノアラミタマ)

和魂は、さらに「幸魂」と「奇魂」とに分けられます。

「幸魂」は、人々に幸せをもたらす働きであり、「奇魂」は、奇瑞、奇跡を起こして人々を救済する働きです。前者は、運による働き、後者はより直接的な奇跡と捉えることも出来るでしょう。

江戸時代末期から明治期の神道家である本田親徳(ほんだちかあつ)が提唱する霊魂観では、人の魂は、荒魂と和魂、幸魂と奇魂の4つの魂から成り立っており、それらは直霊(なおひ)と呼ばれる天と繋がる霊と一体であるとする「一霊四魂(いちれいしこん)」という考え方も存在しています。

『日本書紀』では、大己貴神(オオナムチノミコト・大国主神)が自らの中に潜む、幸魂と奇魂の存在を知って、三輪山に鎮まり、縁結びの神となった経緯が記されています。

日本書紀では、大己貴神の和魂が大物主神(オオモノヌシノカミ)であるとしています。つまり、大国主神が、自らの和魂である、大物主神を三輪山に鎮めたということであり、大国主神の別名が大物主神であるとしています。

では、次に「幽冥」です。

「幽冥(ゆうめい)」とは、仏教でいうところの「冥土(めいど)」。つまり、死後の世界、あの世のことを意味します。

ここでご紹介する、「幽冥神語」の冒頭に出てくる「幽世(かくりよ)」という言葉も、同じ意味をもちます。

ここでいう「幽世の大神」とは、前述の「大国主神」のことを指しています。

通常は、葬儀や慰霊祭において唱えられますが、大国主神の御神徳を仰ぐことが出来る神語として、困ったことが起こったとき、救いを求めたいときなどに唱えると、効果絶大といわれています。

幽世(かくりよ)の大神

憐れみ給い恵み給え

幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)

守り給い幸い給え

3度唱えるか、繰り返し何度も奉唱します。


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