五月も半ばを過ぎ、梅雨に入ろうとしている。昨日は30度近く気温が上がり、屋上での昼食は断念し、夜になっても少し歩くだけで汗が吹き出してきた。 今日は今朝から厚めの雲が空を覆っていて肌寒く、珍しく頭痛がした。昼には雨が降ってきて、またも屋上での昼食を断念した。 会社への配属が決まってからは屋上で文庫を読みながらおにぎりを食べるというささやかな楽しみを発見した。 オフィスは息が苦しい。 ひっきりなしに電話が鳴り、常にどこかで会議が開かれている。予算がないとか、期限が短いとか、
ある逃亡劇を読んだ。 殺人を犯した男が出会い系サイトで知り合った女と数日間逃亡するお話。 内容を知っている人なら既にお分かりだろうが、吉田修一の『悪人』だ。 なぜか最近吉田修一の作品を多く読んでいる。 『ウォーターゲーム』『さよなら渓谷』『東京湾景』など。暗めな内容で過激な性模写が多い(ウォーターゲームはそうでもない)。 特に落ち込んでいるわけでも、欲求が強いわけでもないが何だか手に取ってしまう。 安直ではないが比較的簡単な最小限の言葉で表現が成され、かつ、情景が分かりやす
普段何気なく歩いている駅までの道。駅へ行くときだけではないが、多くは駅まで歩くときに通る道。アスファルトが敷き詰められたその道は、左右両脇等間隔に木が植えられている。緑を感じる。そこはいつも歩いていて心地いい風が吹いているような気がしてくる。右手には小学校があり、もう少し進むとプラネタリウム付きの図書館が見えてくる。小学校から図書館へ抜ける道には、左手に小規模な池がある。池には立派な鯉が何匹も泳いでいる。その向かいには小川があり、カメが3匹住んでいる。顔の横に赤い模様が入って
風が強い。昨日から強かったけれど、今日もまだ窓から聞こえる音は台風の時のそれと変わらない脅威を感じさせる。おじさんの咳も聞こえる。歳を取ったら何故だか人は大きく咳やくしゃみをする(特におじさん)。自分もある程度歳を取ったらそんな風になってしまうのかと不安になりながらこれを書いている。そんな風に歳を取った自分は仲間達と「俺らも年取ったなあ」と病気の話ばかりする時がやってくるのだろうか。そんな自分をあの人は変わらず好きだと言ってくれるのだろうか。脳内で小さく『私がオバさんになって
何でもいいことってすごく多い。お昼に食べるメニュー。 「何食べたい?」 「何でもいい」 そう答えたことのない人の方が少ないのではないか。だけど、本当に何でもいいわけではない。 「ラーメン?」 「ラーメンの気分ではないんだよなあ」 「パスタはどう?」 「それもちょっと違う」 何だよ。何でもいいって言うなよ。全然何でも良くないじゃん。そんな会話をよくする。典型的な我儘人の特徴。とは言え、自分がそういう回答をするかは置いておいて、何でもいいけど何でもよくないことってあると思