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母のこだわり「お弁当」
お弁当作りのこだわり
母は、私へのお弁当作りに
一つの『信念』を持っていた。
私は、学生時代のお弁当の話になると
必ずこう話す。
「私の母はお弁当作りにこだわりがあってね、
前の日の残り物と
冷凍食品は
絶対に入れたくないんだって。
だから必ず、
朝、早起きして
その日の朝作った物しか
お弁当に入ってなかったんだよね・・・」
「へぇ~。すごいね。」
「うん。」
「ところで、まりゆーは、
お弁当のおかずで何が好きだった?」
「へっ?」
「お母さんが作ったおかず、
何が好きだったの?」
「・・・・・」
そうなんです。
その、
手作りおかずが何だったのか、
全く覚えていないのです。
お母さん、
せっかくあんなにこだわって
毎朝早起きして、
一生懸命お弁当作ってくれてたのに。
私、お母さんのお弁当の事
何も
覚えていない!?
私って、何てひどい子なの?
食品添加物も加工品もなるべく避けて
毎朝作ってくれていたのに。
それが
どんなお弁当だったか
どんなおかずだったか
一切覚えていないなんて・・・。
私は罪悪感を覚えたと同時に
何も思い出せない事が、かなり
ショックだった。(笑)
母の信念は確かに伝わっている
ですが、
母の信念はきちんと伝わっています。
なぜなら、
私の母が作ってくれたお弁当の思い出は
『私の母は、お弁当には絶対に
残り物と冷凍食品を入れなかった』
そして、
『毎朝早起きしてお弁当を作ってくれた』
ということだ。
その信念が強すぎたのか。
それとも
おかずのインパクトが小さかったのか。
真相は分からないが、
お弁当のおかずの
内容 と 味を
全く覚えていないのだ。(笑)
そして私は母から重大な事を学んだ。
『人の想いは必ず伝わる』
という事を。
信念を持って行った事は
確かに私(娘)に伝わっている。
しかし、大切なのは
『伝えたい事を間違えないように』
という事だ。
母の、
『私は絶対に残り物と冷凍食品は入れない』
という想いは伝わっても、
そのお弁当が美味しかったかどうかは
全く覚えていないのだ。
それなら、
残り物でも、
冷凍食品でも、
美味しいお弁当なら
『お母さんが作ってくれたお弁当は美味しかった』
という思い出になったのだろうか?
それでも良かったのでは・・・
いや、駄目だ。
母親の、
子供への『想い』が
『愛情』が 大切なのであって、
決して、重要なのは
お弁当の美味しさではないのだ。
バカ、バカ、バカ。
私のバカ!
そんな事、考えてはダメなのだ。
私の母親は
『おかずの〇〇が美味しかった』
とか、
『お母さんの作ったお弁当は最高に美味しかった』
とかは、
どうでもいいのだ。
『母親は毎朝作ったおかずしか入れない。
しかも、冷凍食品なしで。』
という部分が大切だったのだ。
重要だったのだ。
だから
私の答えは
母にとっては満点なはず・・・
なのだ。(笑)
もしかして、
私の舌が敏感だったら。
私の母の舌が敏感だったら、
美味しいおかずの味や、
入っていたおかずが何だったか、
美味しいお弁当のビジュアルがどんなだったか、
記憶に残っていたのかもしれない。
全く思い浮かばないのは
全て
『舌』 (母子共に)
の問題だという事にしておこう。 (完)
よく考えたら、
母親も好き嫌い・・・ないな。
まぁ、いいか。 (笑)
それでは
今日も一日お疲れ様でした。
明日も良い一日を。
追伸
あなたの好きなお弁当のおかずは何ですか?
私の舌の様子が分かる投稿はこれです。