都知事選翌朝の新聞5紙の一面から見えてくること
一大事が起きた後の新聞6紙比較も授業でよくやったもので、本日は朝刊5紙を比較してみます(産経新聞うっかり買いそびれたため5紙…完全に寝ぼけていた…)
というか、もしまだ教壇に立っていたら今日の新聞比較授業はやらない。その理由は後に述べるとして、みてみましょう!
まず、各紙一面並べてみる
(画面ちっちゃいなぁ・・・。)
パッと見てすぐ気づくのは「都知事選より熊本豪雨」
記事の大きさも、使われている写真も、5紙のうち3紙(朝日・毎日・読売)が熊本のことの方を大きく扱い、日経にいたっては「世界の企業格下げが最多」がトップ。
東京新聞以外、取り上げ方が小さいので、実際に授業でやったら教室の後ろの方の子は、なんのことだかさっぱりでしょうな。これが授業では使わない理由その1。(記事が小さい、即ち最優先と判断されなかった話題。豪雨被害が深刻なのはもちろんのこと、今回は都知事選圧勝と分かった上での圧勝だったからかな)
都知事選について書かれた部分を見比べる
最初は新聞社名をふせておいて、新聞社の先入観なしにそれぞれの見出しや記事、写真からどう感じるか比べたてみたり。
それにしても、1面から都知事選該当部分だけ抜き出すと、記事としての小ささが明確に。そして写真の存在感も体感できちゃう(背景黄緑で白いジャケットって好感度高い絵ですね、下の二つみたいに顔写真にされるのと印象が違う)
ちなみにこちらレイアウトしやすい順に並べ
上左:毎日、上中:読売、上右:東京
下左:日経、下右:朝日
各記事見出しを並べてみる
「小池都知事を最も応援してる見出しはどれだと思う?」
など注目して欲しい点にポイントをおいて問うてみたり。
おそらく、これなら「一番左!前回を大幅に上回って350万票もとって、って根拠をかいてあるから」「一番右!対立候補を負かしたことと、今みんなが気になるコロナの対策をしてるって書いてあるから」なんて意見があがるのかな?予測を立て後に記事本文を読み込む方が、理解が深い。
こちらは右からあいうえお順で、朝日・東京・日経・毎日・読売。
・・・とは書いたものの今回は、見出しは東京新聞を除いては「圧勝で対立候補をやぶり再選」という内容なので、深堀り・比較しづらい。これが授業では使わない理由その2。新聞比較の意図は、同じ事象でも新聞社によって報道の仕方が異なることの体感でもあるので。
・・・というわけで、本記事タイトル「都知事選翌朝の新聞5紙の一面から見えてくること」の答えは「再選が絶対視された中での、予定通りの小池氏再選に報道の大きな違いはなく、それより、熊本豪雨状況が注目されている」です。
1面より中の記事比較にするかな
「私が授業で使うなら」という視点でいうと、今回は1面記事比較がしづらいので、2紙の社説比較、記事比較にするかも(中を読み込む比較の場合、記事数は少ない方が良いので2紙)。
中の見出しを上げてみると次の通り。共通点は、どの社も2・3面で東京の主要課題を述べたり、小池氏当選の理由を分析したり、社説で「都知事、しっかり頼みますよ」と述べていること。でも述べ方・分析が異なり、各社の特徴が表われる。
読売新聞
2・3面:対コロナ 小池氏支持/無党派層取り込む /「第2波」「五輪簡素化」難題
社説:小池知事再選/首都の活力維持に課題は多い
朝日新聞
2・3面:小池氏 コロナ・五輪多難/財政に影「貯金」9割減/与党解散戦略に影響も/野党今後の共闘に懸念
社説:小池氏再選/求められる説明と実践
毎日新聞
2・3面:コロナ専念 小池氏に利/大差で再選/「闘う」アピール 公務で露出増え/自民 距離感に苦心
社説:都知事選で小池氏再選/地に足着けて問題解決を
日本経済新聞
2・3面:都 第2波の備え焦点/簡素な五輪も難題 財政、余力乏しくて/
社説:コロナ収束への都知事の責務は重大だ
東京新聞
2・3面:コロナ禍 追い風に/小池氏圧勝 都政の論争は深まらず/財政陰り 余力なく/自治体連携国を動かすカギ
社説:新しい社会への一歩を 小池都知事が再選
以上、発行部数順。
なお、実際に教壇に立っていた時は、新聞比較でとりあげたのは、自民党の政権奪回(衆参選挙)、大飯原発、特定秘密保護法、解釈改憲での集団的自衛権とか。
久々に複数の新聞を読みながら・・・
普段の情報源がラジオとネットニュース(ほぼスマホで見る)の私が、複数の新聞を手に取ったのはいつぶりだろう。
都知事選比較のつもりで手に取ったが、熊本豪雨の状況に目を覆いたくなりました(特に朝日新聞、爪痕 と題した7枚の写真で様々な角度からの状況が掲載されています)。香港での言論統制、ウイグルの弾圧、トランプ政権への見解、コロナの各地での実情・・・・・・新聞だからこその記事構成に、思わず目をやって読んでしまったり、いつもと違う角度・深度で情報が取得できました。
ただ自分の生活圏の中に現れるものだけを見て生きているだけでは気づかない、私の生活圏から遠くにはあるけれどつながっている、うっすらとでも相互に関わり合っている、同じ時代を地球上で生きている人々に思いをはせ、苦しい状況にある方の回復を祈ります。
そして前記事からの「都知事選」記事の最後として、東京新聞1面にあった小池氏の前回の公約(左)今回の公約(右)を掲載し、おしまいとします。
首都東京の発展を祈りつつ(これってちょっと他人事)、社会貢献せねばと自身に発破かけつつ(頑張らなくて良い、悪いのは政治!という候補者もいたけれど都知事変わらないしね)。