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映画感想*『ハスラーズ』わたしの中の毒が目を覚ます
わたしが言ったちょっとした一言に、とつぜんダンナがキレて食事もそこそこに、彼は自分の部屋に籠城した。洗面所や自分の部屋のドアを乱暴に開け閉めする大きな音が聞こえる。
いやな気分だけが残る。こうして欲しいという願望を小言みたいに言ってしまった。ただその言葉がどうしてそんな逆鱗に触れるのかが、わたしにはわからない。
わたしは過去の経験を検索し判断する。彼の気分をコントロールできるわけじゃない。わたしの気分を整えて、波動を変えていくだけ。
すぐにでも眠れるように、そしてワインとナッツを準備して、イヤホンで映画の音声のみ耳に入れて、映画を見る。
『ハスラーズ』
この映画は、アカデミー賞が白人と男性ばかりを選んだ年に、アカデミー賞候補から漏れた。
ジェニファー・ロペス主演で、実話をもとに映画化された作品。
ストリッパーたちが男たち相手に働くけれど、根底に貧困と差別が潜んでいる。
スカファリア監督によると、「ハスラーズ」とは、女性や母親として侮蔑を受けようと自ら主導権を握って成功を掴むスピリットを指す。
男たちを蔑むわけではないけれど、裏にもってるストリッパーたちを人として見ていない目や、お金にすべてを解決させてしまう思考を感じてしまう。
かくゆうわたしは映画を見ながら、同感するしかない。
人を人だと思わずにやってしまう行為は、じぶんの毒にじぶんが毒される。
弱いからこその強さを、毒をもって使うならリスクがある。
天使のようなこころで、いつもいれるわけじゃない。
たまには想像だけでも、毒をもってみたい衝動を叶えてくれた映画でした。
ところでジェニファー・ロペスさん、この時50歳。
あやかりたい!
わたしは翌日、何もなかったように、ごはんを食べながら言い方を変えてお願いしたら、ダンナのご機嫌がなおりましたとさ。
おしまい。
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