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ひきこもり日記*擦り傷のような嘘
小さな嘘が重なる。
他人からの嘘が、小さなすり傷のようにわたしについている。小さな傷はいつついたのかもわからなくて、傷だらけになっていることに気がつかない。
そして嘘をつかれることが当たり前のようになると、人間不信になる。どこまでがホントでどこまでが嘘なのだろう?
傷だらけのまま、じぶんのこともわからなくなる。「わたしの望みはこれだけど本当にじぶんが望んでいることなのだろうか?」
嘘をつく人は見栄っ張り。自分のプライドを守るため、または自分をよく見せたくて嘘をつく。騙しているという意識すらなく、息を吐くように嘘をついてる。
明日から熊本から両親が来て、温泉に1泊することになった。
うちの車は軽自動車のため、同居人に頼んでレンタカーを借りてもらった。車種を尋ねると「七人乗りは田舎だからなくて借りれなかった」と言う。だがしかし5年ぐらい前に同居人の両親が来たときは、確かに七人乗りのレンタカーを借りた記憶がある。
わたしは後になってよく考えると、それが嘘だと気づくのだけれど、その瞬間は信じてじぶんが悪いと思ってしまう。悪いことしたな。ちゃんとやってくれたのかな。でも真実は違う。その時の発言の気もちでさえ嘘だと思われ、失望を通り越して絶望する。
なぜ嘘だとわかるのか。
わからないふりをして聞き流せばいいものを、信じて裏付けをとろうとしてしまう。おばかさんだとじぶんを笑う。もう30年近くそれを繰り返しているのに、わたしはまだ学習してないのだ。
人を信じられなくなって長い。
だからわたしも人に腹の中を見せるのが怖い。
しかし嘘がつけない性分は、馬鹿正直に傷をつくる。
それでいいなと思う。
大嘘つくのは、じぶんにも嘘をつくこと。
だけど明るい嘘をついて、それがホントになったときはじぶんを笑ってあげたい。噓から出たまことだね、と。
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