猫ガン闘病記*飼い主ができることってなに?
4月18日
ガン宣告を受けた10歳の女の子猫、にこ☆
にこ☆は生後3ヶ月ごろ、飲み屋街にいたのを保護した。そのころ先代猫の18歳のおばあちゃん猫(ぼこ)の具合が悪くてすごく弱っていたのに、にこ☆が元気にごはんを食べて、先代猫もつられて少し持ち直したことがあった。
先代猫が亡くなった日、わたしは図書館勤務の遅番だった。帰ってきたら冷たくなっていたおばあちゃん猫のまわりをにこ☆がぐるぐるまわっていた。わたしはなぜ先代猫が天に登った時、家にいなかったのかと悔いた。
にこ☆も元気で、20年ぐらい生きてくれるだろうと軽く思っていたのに、見た目は元気なまま、ごはんももりもり食べてる。にこ☆ほんとうに病気?って笑って受け流したいけど、先代猫が前ぶれもなく逝ったことを思うと、わたしもできることをやってあげたいと、静かに思う。
4月19日
にこ☆元気。治療の効果が出てるのかなと安心しつつ、わたしは緊張の糸が切れたようになって、毎朝する掃除をしないで、だらだら過ごした。お風呂に2時間近く入ってた。
元気でいてくれると、しあわせ。
4月20日
抵抗を見せるようになってきたにこ☆を連れて病院へ。
待合室に子ども2人とお母さんとおじいちゃんおばあちゃんの総勢5人の家族が待っていらっしゃった。その家族は呼ばれると5人で診察室に入っていった。この病院は診察の会話がすべて待合室に聞こえる。入院していたらしい犬の悲しい声がする。
「もう家に連れて帰っても犬ほんにんがつらくて苦しい」と聞こえた。診察の途中でおじいちゃんが泣きながら出て行った。家族を思う気持ちが、痛いほどわかった。
にこ☆の診察は「悪くないけど、急変することもある」と言われる。
食べれない時の備えに好きなフードのベスト3ぐらいを見極めて、だって。
家に帰るとにこ☆人のいないところへ走っていく。ちゅーるもいらないと床にへたりこむように寝てる。下痢をした。病院での待ち時間が長いのがストレスなのか、人の会話がわかる天才猫なのか。
飼い主はただ祈ること、見守ること。それだけ?
できることは、楽しい毎日を過ごすことのサポートしかないのかなあと思った。