ドレスウォーキング
憧れのドレスを着て歩く
女性にとってドレスを着るのは憧れですね。もしかしたら子供の頃に読んだ絵本に出てくるお姫様のイメージなどもあるかもしれませんが「ドレスを着たら素敵なことが起こりそう」と、女性ならみなさん思われるのではないでしょうか?
実際にドレスを着て、ハイヒールを履くと気分は高揚し、自然と背筋も伸びてこれから起こる素敵なことへの準備が出来上がります。
が、
歩き始めたらイメージと違う!となってしまう方が続出です。それはなぜでしょう。
「着こなせていない」からです。
ドレスを「着ること」と「着こなすこと」は全く違います。写真を撮るだけでしたら着るだけでもOKかもしれません。しかし、ドレスを着てパーティなどに出席するなら、ドレスを着こなして、その場を楽しめるようになりたいですね。
その場を楽しむというのは、自分だけが楽しいならいいというものではありません。
「あなたも風景の一部」です。
その場に居る全ての人で、その場を作り上げているのだということを忘れずに、場に相応しい立ち居振る舞いの中で楽しんでいただきたいです。
ヨーロッパのパーティシーン
ヨーロッパに行くとドレスを着てパーティに行く機会が増えます。
コートダジュールエリアでは女性はパーティに行く時は11cm以上のヒールを履くのが常識です。そういう場でパーティに慣れている方々の立ち居振る舞いを目にしながら、その場にあった自分らしい所作を見つけて行けるといいですね。
以前カンヌ映画祭に行ったときのこと。
映画祭近くのホテルからは、ロングドレスにハイヒールを履いた女性。そしてエスコートするタキシードの男性が何人も登場し街を歩いて行きます。
また、何台ものリムジンが渋滞するように到着し、そこから降りてくる映画関係者の方々がレセプションに向かってレッドカーペットの上を歩いて行くのです。
映画祭を観にきた一般観光客の中に、ドレス&タキシード。そしてリムジンとレッドカーペット。
この時期のカンヌは風景も美しいですが、街に溢れる人を見ているだけでも本当に華やかです。
そんな、カンヌで最も印象的だったのが、金のハイヒールを手に持って歩く女性でした。
レセプションの帰りだったのでしょう、リラックスした雰囲気のカップルが視界に入ったのですが、何か変。
よく見るとタキシードの男性の隣で、美しく風に靡くロングドレスを纏っている女性の手には金のピンヒールがあったのです。
もちろん足元は裸足です。
街を裸足で歩いていたのです。
足が痛かったのでしょうね。
その潔さがかっこよくて「真似したい!」と思った翌年。
金のピンヒールを持ってカンヌに行きました(笑)
日本でのパーティシーン
日本でも何度もパーティを行いました。レッスンに通ってくださっている方々をお誘いすると、最初は「パーティなんて行ったことがないから‥」と遠慮をされますが、翌年には「ワンピースでもいいですか」と、勇気を出して初めてのパーティを経験されます。そうなると次の年には「ドレスはどんなのがいいでしょうか」と逆にお声がかかります。こういう方々を見ていると「場の持つ力」の大きさを感じます。
思い切って華やかな場に身を置くだけで、人生の新しいステージに上がってしまうのです。初めてのパーティで、ほとんど壁に張り付いていたとしても、その場に居たという経験が魂に何らかの後押しをする風景をたくさんみてきました。
女性は美しい方へ美しい方へと動いて行きたい生物なのだな〜とつくづく感じます。
「用の美」ということ
「用の美」という言葉は、実用的なものの中に美しさがある。という意味で工芸品などに用いられていますが、この言葉がずっと心に残っています。
工芸品などでしたら作品という結果の美しさが求められますが、私たちヒトには結果までの経過、つまり所作の中に美しさが連続で起こります。それらの一連の行為を持って「美しい」と印象付けることができるのです。
例えば、コップを持ち上げる所作、どなたかのお話を聞くときの姿勢、美しい装いでの歩く姿‥などなど様々な日常の動作の中に美しさを美しさを繋げて行くことが「ヒトの用の美」だと考えています。
ドレスを着たらやってはいけないこと
ドレスを着るシーンやパーソナリティによって、デザインは変わりますが、ロングドレスを着たら、共通してやってはいけないことがあります。
とても簡単なことなのですが、ついつい日本人はやってしまいがちです。
謙虚な人ほどそうなってしまうので、ぜひ気をつけてください。
やってはいけないのは
「後ろに下がる」
ことです。
裾を踏みます。そうすると転ぶか、破けるか、のどちらかになります。
私ならこの2者でしたら「破く」を取ります(笑)
パーティーシーンで人と会話をしていると、ついうっかり後ろに下がってしまうこともありますが、後ろに下がるのは本当に危険です。
ドレスを着たら前進あるのみ!
「後ろの下がる」のは危険なのでやってはいけないことですが、次に振る舞いとして美しくないので、やってはいけないのは
「急いで歩く」
ことです。
ドレスを着て過ごす時間は豊かで優雅なひとときです。その中でパタパタ歩いたり、カツカツ歩いたりするのは、共に過ごしている方々の時間や空間も壊してしまうことになるので失礼になりますね。
とくに日本人は急いで進もうとすると、足の動きを細かくして歩数で距離を稼ごうとしてしまいます。ちなみに欧米人は足の歩幅を広くして距離を稼ぐのです。
いずれにしてもドレスを着ている時間は、豊かな立ち居振る舞いをするように心がけましょう。
さぁドレスを着て歩きましょう
では、ドレスを着て歩いていきましょう。
以前コンテスタント(コンテストに出場される方)向けに書いたnoteがあり、そちらに詳しく出ています。(といいながらも、まだ書き込んでいる途中ではありますが😁)
皆さんがコンテストに出る方でなくても、抑えるポイントはほぼ同じですから、よかったらこちらもお読みください。
ドレスを着て歩くときに大切だなと感じているのが「膝の出し方」です。
「ロングドレスだったら膝は隠れているのでは?」と思われるでしょうが、実はロングドレスやロングスカートは膝の動きがよくわかってしまうのです。
ウェディングの時の大きく膨らむ裾タイプ以外は。
ドレス初心者はここから練習を始めてください。
次にこの練習をしていきます。
ドレスを着て華やかに楽しみましょう✨