Answer bot 導入から5ヶ月後。Click-through rateは倍になったけど・・(TT)
こんにちわ。
昨年2020年10月に、私がカスタマーサポートとして担当しているサービス「グーペ」でAnswerbot というZendesk が提供しているAIがお問い合わせ内容からFAQの回答を提案するサービスをユーザーさんに提供していることを書きました。
導入開始したのは8月初旬になり、記事を書いた頃はチューニングの真っ最中だったのですが、5ヶ月経って現状どのように効果が出たか書いてみたいと思います。
残念ながら現在のところ解決数は増えていない
導入初期の頃はユーザーさんが誤って「解決ボタン」を押してしまっているケースがあった模様で解決数が多めに出ていました。落ち着いた導入1ヶ月経過後も先に記載した改善策を行なっていますが、解決数増加にグーペ は結びついていないようでした。
しかしながらClick-through rate(クリックスルーレート)は約2倍に
しかしながら、Click-through rate(クリックスルーレート)を2倍にすることはできました。
グーペ では現状お問い合わせフォームからお問い合わせがあった際にユーザーさんに返信するお問い合わせ受付メール内にAnswerbotを出すようにしています。
メール内に案内したFAQがクリックされることが「Click-through」に該当し、Click-through rateは送信したお問い合わせ受付メールのうち何パーセントがクリックされたかという数値になります。
こちらは以下の改善により実現しました。
Click-through rateを約2倍にした施策は?
1:お問い合わせ受付メールのタイトルを変える
それまで
「お問い合わせを受け付けました」というありがちなものから
「お問合せありがとうございます。こちらの解決策をご確認下さい。」
に変更を行いました。
2:ご案内メールの上部にAnsewerbotの回答を移動
それまではサポート定休日などの情報を優先して記載していましたが、以下のテキストとともにAnsewerbotが選んだFAQを優先して表示するようにしました。
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以下に今回のお問い合わせに関連する可能性のある「よくある質問の記事」を
ご提案いたしますので、ご解決に至られた場合は「リクエストを終了」をご選択ください。
その場合、返信は控えさせていただきます。よろしければご活用くださいませ。
(本メールは自動送信です。)
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以上2つの施策を行なってすぐにClick-through rateを2倍にすることができました。
解決数が増えないことが課題
Click-through rateが増えても解決数が増えていない要因はいくつか考えられます。
1:提供しているFAQの数が足りていない
2:AnswerbotでうまくFAQを提供できていない
3:グーペ はFAQで解決できないお問い合わせが多い
「1:提供しているFAQの数が足りていない」については、週1回のMTGでFAQと管理画面内ウィジェットで検索されたワードを精査し、足りないものや検索されがちなワードを「ラベル」として追加するメンテナンスを行って今ます。
「2:AnswerbotでうまくFAQを提供できていない」については2020年10月に記載した記事の方法のほか、Zendesk内で提供されるAnswerbotのレポート中に「採用されなかった記事」(ユーザーさんが「役に立たなかった記事」ボタンを押下したFAQ)とお問い合わせ内容を付き合わせ、最適化をしています。
「3:グーペ はFAQで解決できないお問い合わせが多い」は推察なのですが、グーペ はホームページを作成するというサービスの特徴から、記事の表現やデザイン、それからSEOの細かいところのお問い合わせ比率が多く、一般化されたFAQでは解決しきれない困りごとが多いのではないか、との推察をしています。
なお、「2:AnswerbotでうまくFAQを提供できていない」の施策として現在すでに用意されているFAQを全て見直し、表現や文章の書き方の修正を行う準備をしております。こちらを行うことでより良いAnswerbot提供のみならず、FAQや管理画面内ウィジェットでもお客様が検索しやすいFAQの提供を目指しています。
解決数が爆上がりしたサービスもある。
弊社には複数のサービスがありほぼ全てのサービスでAnswerbotを導入していますが、SUZURIは施策とメンテナンスが効果し、かなりの解決数を叩き出しました。当然解決率も上がりました。SUZURIはグーペ と違ってFAQで解決できる問い合わせが比較的多かったこともこちらの要因かと思います。
とはいえFAQやマニュアルは助けになるはず。。
とはいっても、困ったことがあったらサポートに連絡する前に解決ができるのがお客様としては一番です。私がどんなサービスを使う上でも問い合わせはなるべくしたくありません。
引き続き問い合わせの回答が来る前の解決の提供にも力を注いでいきたいと思います。