【映画感想】劇場版モノノ怪 唐傘
■凄かったー。
物語過ぎず技巧的過ぎずに、
ちゃんと映画的パワーを映像で語る。
しっかしそれがもうゴリゴリの腕力で押し通りながらも
しなやかで美しいというね。
圧倒されますよ。
恐ろしい彼方に。
薬売りさん好きな人には確実に致死量。
にっこり。
■大奥に入り手に入れた出世と
それゆえのなすべき事。
そのためには自分の喜びなど捨て去らなければならない。
そこでしてしまう他人と自分を比べてしまうということ。
自分を捨て去り
社会機能の一部となれば
穏やかで安定した暮らしになるはずなのに。
感情が首をもたげる。
もっと、もっと行けるはずだ。
せっかくここまで来たのだから。
多くの犠牲を払ったのだから、
私はもっと貰っても良いはずだ。
他人から奪っても良いはずだ。
なんて欲望の坩堝にはまっていってしまう。
■そして、そんなこととはまるで逆な薬売りさん。
他人とは一線を画し
孤独な放浪の旅。
大きな感情に揺れることなく、
モノノケ退治を粛々と務め上げるだけ。
■その両極端な生き方には
それぞれ憧れるし
それぞれ難しそうだな、と感じる。
最後に結局ポカーンと明るく楽しく生きた方が良いのだよなぁ、
なんて思ったり。
■しかしまぁ、映像がカッコいいのですよ。
動きとテンポとリズム。
そして色彩と形。
なんともはやな
結局全部良いのですが。
■そういえばあの女の子の声優さんは
ユーフォニアムの久美子ちゃん。
また女性関係のクソデカ感情に巻き込まれておる。
困ったもんだ。
■登場人物は誰も悪くない。
しかしその悪くない全員が集まった先の社会に発生する心が
もっとも邪悪なモノノケに変容してしまうのですよね。
あなた自身がちょっとずつ他人の心を蝕んでいるのですから。
良かれと思って。
■でもちゃんと煌めくような
心の結晶を見ることができますよ。
良かったね。
■三部作って話だけど。
この話はちゃんと終わっていて。
読み切り3話連続って感じだと思う。
楽しみだなぁ。
劇場版モノノ怪 唐傘
小説 劇場版モノノ怪 唐傘 (角川文庫)
極楽京都日記: 【映画感想】劇場版モノノ怪 唐傘 https://kyotogokuraku.blogspot.com/2024/08/blog-post.html?spref=tw
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