![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43448303/rectangle_large_type_2_1ca4a52536d2517aa139725abd80d0ff.jpg?width=1200)
【2021/1/18】憧れの舞台へ
今週水曜日から始まる山田ジャパンの舞台「優秀病棟 素通り科」。
※配信チケット現在発売中!ぜひ!
いよいよ今日から小屋入り(劇場入り)。
とはいってもすぐに本番さながらの稽古が出来るわけではなく、仕込みと呼ばれる舞台を作る作業がある。セットを立てるのはもちろん、音響、照明、美術、舞台袖、楽屋周り、ロビー、小道具など、やることは沢山。
スタッフさんと劇団員で手分けして、トラックから荷物を下ろすところからスタート。力仕事はメンズ中心に、衣裳や小道具・美術などの繊細で細かい作業が女性がメインで行われる(ことが多い)。
今回の劇場は本多劇場。
演劇人ならば誰しもが立ちたいと思うステージ。わたしもその一人。でもどうしてそう思ったんだろう。そりゃ数々の有名な役者さんたちが羽ばたいていった劇場だし、演劇界のひとつのブランド的な要素もあるけれど、長いこと関西にいて、そもそもは演劇に疎かったわたしにとっては、「本多」とか「下北」ってアド街ック天国の中の世界。いつか行けたらいいなぁとそう思う程度だったのに。
思い返してみると、本多劇場で観劇したことがあるのは2回だけ。でもその2回で、がっつり持っていかれたというか。舞台の内容ももちろんなんだけど、その空間とか奥行きに惹きつけられたのではないかと思う。
本多よりも広くて、豪華な造りの劇場はごまんとある。だけどどうしてか初めて、シンプルに「立ってみたいなぁ」とそう思った。
そう思って、今日その場に行くことが出来た。
仕込みをして、楽屋に化粧前もあって、あとは場当たりやゲネプロをして、本番に臨むだけ。「立ってみたい」が「立った」になる日はもう目の前。
だけど、本当に緊張している。
それは本番が近いからだけではなく、このご時世だからだ。
当たり前に迎えることができるはずだった本番が、今はものすごく遠い。劇場入りした今でさえ。
誰かが体調を崩していないか、熱が出ていないか、どこかに不安がある。もちろん平時であってもその不安はあるにはあるけど、これまでのそれとはとにかく違う。漠然と、でも、芯が太めの不安が常に横たわっている。
その不安に打ち勝つには、徹底的に対策し続けるしかない。
千穐楽の幕が下りるその瞬間まで。
いや、下りて、家に帰りつくまで、かな。
「立ちたいなぁ」
「立つ」
「立った」
憧れの舞台に。
その報告ができるように。
いいなと思ったら応援しよう!
![麻利央書店](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/3279164/profile_cf5581b2684ac351d3c1fb7810da1054.jpg?width=600&crop=1:1,smart)