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【2021/7/16】積み上げる

ただ経験をたくさんすれば、数をこなせば、その分だけ積みあがっていくわけではなくて、その中で然るべき意識をきちんと持っていたり、確かな手ごたえを得ていたりしないと、なかなか高みへは登れない。もちろん経験は少ないより多い方がいいけれど、その積み上がり方は大きく変わってくる。

ぷよぷよでいくら消したとしても、連鎖しないとポイントが高くなっていかないのと同じで、単発だとどうしても積み上がりは低くなる。

つまり、得た経験を、次につなげる意識を持ち努力をしなければいけないということ。それは失敗にしろ成功にしろ、なんにしろ。

芝居もそうだなぁと思って。

だれかがとてもいいシーンを作り出したとして、それを他の人が繋げて、繋げて、さらにいい空気感や流れみたいなものをつくって、またそれをリレーして繋げて、本当の本当のラストまで持っていくことが出来たら、その作品は本当の意味でお客様に届けられたことになると思う。

もちろん、作品の感じ方はそれぞれだし、面白さのポイントは違うし、それが出来たとて、全員を満足させることは出来ないかもしれない。

でも、そのお芝居の中で生まれた小さな波を大切に大切につないで、運んで、ラストに大波にすることができたら、演じている自分たちももっと得るものがあるのではないかと。

ひとりで作品をつくっているのなら、その感情の波、お芝居の流れを感じながら大きな波動を生みやすいのかもしれない。だけど大抵の場合は、舞台は複数で演じられる。その複数人で、手のひらで救った水を丁寧に一滴もこぼさないように、大切に大切に運ぶような感覚を持っていないとお芝居って成立しないのかもしれない。

今まで無意識にやっていたのか、周りの人たちがそれをやってくれていて乗っからせてもらっていたのか、今回その必要性をとても感じている。

シーンをつないで、積み上げる。

まだまだやれることがある。
まだまだ持つべき意識がある。
まだまだ良くなる伸びしろがある。

明日からも戦おう。


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麻利央書店
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