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【2021/5/29】柿食う客

名前は知っていたけど初めて見に行くことができた劇団柿食う客。

とは言え、どんなお芝居をする劇団なのか、どんな舞台をされているのか全く前情報はナシ。「滅多滅多」というタイトルの、フライヤーはものすごくビビットで、でもホラーで、目を惹かれた。

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ちょうど下北沢に行く予定があり、時間的にも見ることが出来て、しかも1月に公演させてもらった本多劇場だったので、前日に当日引換券を予約して足を運んだ。こうやって思い立ったときに舞台を見に行ける環境があるのは東京の良いところ。劇場も多いし、公演も多い。

約4ヶ月ぶりの本多劇場。楽屋に行かず、客席に行くのは変な感じ。フラっと楽屋に行きたい気持ちに駆られたがグッと我慢(当たり前)。4ヶ月経った今でもまだ思い出す。憧れの舞台に立っていた自分を。客席から見た景色を。

客席に座り、舞台を見て驚いた。セットがない。その代わり「ライブが始まるのかしら?」と思う程たくさんの照明機材がズラリと並んでいる。ますますどんな舞台が始まるか分からなくなった。小学校を舞台に繰り広げられる子どもたちの話だとは理解している。先生やお化け(七不思議)らしき登場人物もいる。

そして幕が開いた。

初っ端から、もう口あんぐり。瞠目。

怒涛のセリフの応酬と、それこそライブみたいにコロコロキラキラシュンシュン変化していく照明、前後左右に役者が走り回り、どんどん場面が変わっていく。ついていくのに精いっぱい。頭でぐるぐる考えながら見ている。これは何の物語なのか、と。でも考えていると置いて行かれる。脳内が軽いパニック!

「あれ?これ前も言ったセリフだよな」
「んん?この展開って…」

少しずつホロホロと掴めそうな流れが見えてくる。でもやっぱり掴めない。どれが真実でどれが虚構なのか。どれがホントでどれがウソなのか。果たしてこれは掴めるのか。たぶんずっと眉間にシワ寄せながら見ていた。必死でついていこうと。

最初から最後までセリフは長くて早くて勢いが削がれない。アンド、終演後に2キロくらい痩せそうな運動量。シンプルにすごい。あのセリフ量を覚えて、吐き出し切る体力と気力。台本の枚数なんか平均の1.5倍くらいありそう。そして観客も体力と集中力がいる。これが柿食う客なのか…。

刺激と、刺激と、刺激をもらった、75分。

ふー。

明日まで。

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